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夜勤のある施設職員が良質な睡眠をとるための生活習慣に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.夜勤に入る前には仮眠をとらない。
2.寝る前にスマートフォンでメールをチェックする。
3.朝食と夕食の開始時間を日によって変える。
4.夜勤後の帰宅時にはサングラス(sunglasses)をかけるなど、日光を避けるようにする。
5.休日に寝だめをする。
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4.夜勤後の帰宅時にはサングラス(sunglasses)をかけるなど、日光を避けるようにする。
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1.(×)体力や集中力を維持するためには、夜勤に入る前にしっかりと仮眠を取ることが大切です。
2.(×)眠りが浅くなり、睡眠の質に影響するため、就寝前にスマートフォンやパソコンを使用してブルーライトを浴びることは避けます。
3.(×)概日リズム(サーカディアンリズム)を乱さないよう、食事時間を含め、できるだけ規則正しい生活を送ることを意識します。
4.(○)日光には覚醒作用を有するホルモン(セロトニン)を分泌する作用があるため、サングラスを使用して太陽の光を避けることは、夜勤明けの入眠を助けます。
5.(×)寝だめすることで睡眠のリズムが崩れ、睡眠の質を下げる原因となってしまいます。休日に過度な睡眠を取るよりも、毎日確実に睡眠時間を確保することが大切です。
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次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする衣類用漂白剤に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.全ての白物の漂白に使用できる。
2.色柄物の漂白に適している。
3.熱湯で薄めて用いる
4.手指の消毒に適している。
5.衣類の除菌効果がある。
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1.(×)白色無地の衣類やタオルの漂白に効果を発揮しますが、強アルカリ性であり、羊毛や絹、ナイロン、ポリウレタンなどに対しては、生地の劣化を招くため使用できません。
2.(×)漂白力が強く、色落ちの可能性があることから、色物や柄物の漂白には向きません。
3.(×)熱水(60℃以上)では分解するため、水で希釈して使用します。
4.(×)強アルカリ性であるため、皮膚を傷めるおそれがあります。
5.(○)次亜塩素酸ナトリウムは、衣類、ドアノブ、テーブルなどの除菌に有効であり、ノロウイルスなどの感染対策にも用いられます。
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耳の清潔に関する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.耳垢(じこう)の状態を観察した。
2.綿棒を外耳道の入口から3cm程度挿入した。
3.耳介を上前方に軽く引きながら、耳垢を除去した。
4.蒸しタオルで耳垢塞栓(じこうそくせん)を柔らかくして除去した。
5.耳かきを使用して、耳垢を毎日除去した。
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1.(○)耳垢の状態を観察し、必要に応じて耳垢除去を行ったり、耳鼻科受診を検討したりすることが適切です。
2.(×)綿棒の挿入は、外耳道の入口から1cmまでとします。
3.(×)耳垢除去の際は、耳介を上後方に軽く引くと内部が奥まで見えやすくなります。
4.(×)耳垢塞栓の除去は医行為であり、介護福祉職が行うことはできません。耳鼻科にて専門的な処置を受ける必要があります。
5.(×)耳垢の除去を過度に行うと外耳道を傷つけ、外耳炎などを引き起こす可能性があります。耳垢除去は、2週間~1か月に1回程度が適切です。
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歯ブラシを使用した口腔(こうくう)ケアに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.歯ブラシの毛は硬いものを勧める。
2.強い力で磨く。
3.歯と歯肉の境目のブラッシングは避ける。
4.歯ブラシを小刻みに動かしながら磨く。
5.使用後の歯ブラシは、柄の部分を上にしてコップに入れて保管する。
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1.(×)歯ブラシの毛の硬さは、歯肉を傷つけないよう柔らかめのものを勧めることが適切です。
2.(×)強い力で磨くと、歯肉を傷つけてしまうおそれがあります。力に頼らず歯ブラシの毛先を歯の表面にしっかりと接触させ、小刻みにブラッシングします。
3.(×)歯と歯肉の境目は歯垢のたまりやすい部分であり、歯の健康寿命を延ばすためにもしっかりとブラッシングすることが大切です。
4.(○)歯ブラシを小刻みに動かし、1本1本の歯を意識しながら丁寧に磨きます。
5.(×)柄の部分を上にしてコップに入れて保管すると、歯ブラシの毛先が乾かずに雑菌が繁殖しやすい状態となります。使用後の歯ブラシは毛先を上にして、風通しのいい場所で立てて保管します。
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経管栄養を行っている利用者への口腔(こうくう)ケアに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.スポンジブラシは水を大量に含ませて使用する。
2.上顎部は、口腔の奥から手前に向かって清拭する。
3.栄養剤注入後すぐに実施する。
4.口腔内(こうくうない)を乾燥させて終了する。
5.空腹時の口腔ケアは避ける。
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2.上顎部は、口腔の奥から手前に向かって清拭する。
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1.(×)水を大量に含ませたスポンジブラシを使用すると、余分な水が口腔内に充満して誤嚥のリスクが上昇します。
2.(○)上顎部の清拭は、口腔の奥から手前に向かって行うことで、誤嚥やむせのリスクを回避することができます。
3.(×)栄養剤注入後すぐに口腔ケアを行うと、刺激により嘔吐が誘発されるおそれがあります。
4.(×)口腔内は適度な湿潤環境を保つ必要があり、乾燥すると唾液による自浄作用が低下して雑菌が繁殖しやすくなります。
5.(×)口腔ケアを行うタイミングは、栄養剤注入前や空腹時が適切です。
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スライディングボードを用いた、ベッドから車いすへの移乗の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.アームサポートが固定された車いすを準備する。
2.ベッドから車いすへの移乗時には、ベッドを車いすの座面より少し高くする。
3.ベッドと車いすの間を大きくあけ、スライディングボードを設置する。
4.スライディングボード上では、臀部(でんぶ)を素早く移動させる。
5.車いすに座位を安定させ、からだを傾けずにスライディングボードを抜く。
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2.ベッドから車いすへの移乗時には、ベッドを車いすの座面より少し高くする。
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1.(×)アームサポートが固定されていると、スライディングボードの設置や進路の妨げとなるため、アームサポートが外せたり跳ね上げたりできる車椅子を準備します。
2.(○)スライディングボードを用いた移乗では、重力を利用して滑るように移動させます。移乗先である車椅子の座面より、ベッドを少し高くすることが適切です。
3.(×)ベッドと車椅子の距離が離れると、スライディングボードへの負担が大きくなり、思わぬ事故につながるおそれがあるため、極力近づけるかたちで準備します。
4.(×)スライディングボード上では、利用者の両脇や腰を支えてゆっくりと丁寧に移動させます。
5.(×)スライディングボード上に重心がかかっていると抜くことが難しいため、身体を傾けて荷重を減らした側から引き抜きます。
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利用者を仰臥位(ぎょうがい)(背臥位(はいがい))から側臥位(そくがい)へ体位変換するとき、トルクの原理を応用した介護方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.利用者とベッドの接地面を広くする。
2.利用者の下肢を交差させる。
3.利用者の膝を立てる。
4.滑りやすいシートを利用者の下に敷く。
5.利用者に近づく。
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誘発することで負担の少ない介助が可能となります。
1.(×)利用者とベッドの接地面は、狭くすることが適切です。
2.(×)利用者の下肢を交差させると、動かすために大きな力が必要となります。
3.(○)利用者の膝を立て、身体を小さくまとめて回転させることで体軸回旋運動が誘発され、トルクの原理を応用した介護方法となります。
4.(×)滑りやすいシートを利用者の下に敷くと、回転させる前に体全体が動いてしまうため注意が必要です。
5.(×)利用者に近づくのは、ボディメカニクスを活用した介護方法を実践する場合です。
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Aさん(78歳、男性、要介護2)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で嚥下障害(えんげしょうがい)がある。自宅で妻と二人暮らしで、訪問介護(ホームヘルプサービス)を週1回利用している。訪問時、妻から、「飲み込みの難しいときがある。上手に食べさせるにはどうしたらよいか」と相談があった。
訪問介護員(ホームヘルパー)の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.食事のときは、いすに浅く座るように勧める。
2.会話をしながら食事をするように勧める。
3.食事の後に嚥下体操(えんげたいそう)をするように勧める。
4.肉、野菜、魚などは軟らかく調理するように勧める。
5.おかずを細かく刻むように勧める。
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4.肉、野菜、魚などは軟らかく調理するように勧める。
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1.(×)食事のときは、椅子に深く腰かけ、足底をしっかりと床につけて安定した姿勢を保つようにします。
2.(×)会話しながらの食事は、誤嚥を引き起こすおそれがあるため不適切です。会話をするタイミングは、口の中の食物を嚥下したことを確認してから、次の食物が口に入るまでの間とします。
3.(×)嚥下体操では食べるために必要な筋肉をトレーニングするため、食事前に実施すると効果が期待できます。
4.(○)肉、野菜、魚などは、軟らかく調理すると口の中で飲み込みやすくまとまる(食塊になる)ため、誤嚥のリスクが低くなります。
5.(×)細かく刻んでしまうと口の中でバラバラになり、まとまりにくい(食塊にならない)ため、誤嚥につながるおそれがあります。
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慢性腎不全(chronic renal failure)の利用者の食材や調理方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.エネルギーの高い植物油を控える。
2.レモンや香辛料を利用し、塩分を控えた味付けにする。
3.肉や魚を多めにする。
4.砂糖を控えた味付けにする。
5.野菜は生でサラダにする。
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2.レモンや香辛料を利用し、塩分を控えた味付けにする。
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1.(×)慢性腎不全の患者は、塩分制限や蛋白質制限を行うことが多いため、脂質や糖質で摂取エネルギーを補う必要があります。
2.(○)慢性腎不全では塩分の排泄機能が低下するため、塩分が体内に貯留して高血圧を引き起こします。腎臓の負担を軽減する目的で減塩し、レモンや香辛料などを利用して味付けを工夫することが適切です。
3.(×)糸球体の濾過機能が低下しているため、肉や魚などの蛋白質摂取は控えめにする必要があります。
4.(×)蛋白質制限で不足するエネルギーは、脂質や糖質で補います。
5.(×)慢性腎不全患者ではカリウムの排泄機能が低下するため、心停止や動脈硬化のリスクが上昇します。カリウムを多く含む生野菜は小さく薄く切って、流水にさらしたり茹でたりし、カリウムをできるだけ除去した上で摂取することが望ましいといえます。
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入浴関連用具の使用方法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.シャワー用車いすは、段差に注意して移動する。
2.入浴の移乗台は、浴槽よりも高く設定する。
3.浴槽設置式リフトは、臥位(がい)の状態で使用する。
4.入浴用介助ベルトは、利用者の胸部に装着する。
5.ストレッチャーで機械浴槽に入るときは、ストレッチャーのベルトを外す。
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1.(○)シャワー用車椅子は、通常の車椅子と比べて車輪が小さい構造になっているため、少しの段差でもバランスを崩しやすく、利用者の不安を招くおそれがあります。移動の際は、小さな段差でも注意する必要があります。
2.(×)入浴の移乗台は、浴槽と同じ高さに設定して座面をフラットにします。
3.(×)浴槽設置式リフトは、浴槽をまたぐ動作を介助するために用いることから、座位の状態で使用します。
4.(×)入浴用介助ベルトは、利用者の腰部に装着して使用します。
5.(×)水中では浮力が生じるため、身体が不安定な状態になります。ストレッチャーで機械浴槽に入るときは、身体を支えて転落を防ぐため、ストレッチャーのベルトを装着します。
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次の記述のうち、排泄物(はいせつぶつ)で汚れた衣類をタンスに隠してしまう認知症(dementia)の利用者への対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.タンスの中に汚れた衣類を入れられる場所を確保する。
2.「汚れた衣類は入れないように」とタンスに貼紙をする。
3.トイレに行くときには、同行して近くで監視する。
4.つなぎ服を勧める。
5.隠すところを見たら、毎回注意する。
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1.タンスの中に汚れた衣類を入れられる場所を確保する。
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1.(○)汚れた衣類をタンスに隠してしまうのは、自尊心を守るための自衛的な行動であると考えられます。専用の場所を確保して羞恥心や衛生面に配慮した上で、タイミングを計って取り出し、さりげなく洗濯することが適切です。
2.(×)この文章の貼紙を誰の目にも触れる場所で行うと、利用者の自尊心を傷つけることになります。
3.(×)トイレへに同行して近くで監視することは、悪いことをしないように見張ったり取り締まったりするかたちとなり、介護福祉職の行動として不適切です。
4.(×)つなぎ服は自らの意思で着脱しにくいため、身体拘束に該当する行為となり得ます。
5.(×)間違いを指摘するとさらなる混乱を引き起こすため、隠すところを見たら一緒に片付けるようにします。
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次の記述のうち、ズボンの裾上げの縫い目が表から目立たない手縫いの方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.なみ縫い
2.半返し縫い
3.本返し縫い
4.コの字縫い(コの字とじ)
5.まつり縫い
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1.(×)なみ縫いは最も基本となる縫い方であり、仮縫いやしつけの際などに用いられます。
2.(×)半返し縫いは、縫い始めや縫い止まりなど、縫い上がりの強度が必要な部分に適しています。
3.(×)本返し縫いは、半返し縫いよりもさらに頑丈に縫えることから、ポケットや肩ひもなどを縫う際に適しています。
4.(×)コの字縫い(コの字とじ)は、表側に縫い目が出ないように布同士をとじ合わせる縫い方です。
5.(○)ズボンの裾上げに適切な手縫いの方法は、まつり縫いです。表側の縫い目が目立たないことから、裾や袖口などの折り代を始末する際に用いられます。
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Bさん(102歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。高齢による身体機能の衰えがあり、機能低下の状態が長く続いていた。1週間前から経口摂取が困難になった。1日の大半は目を閉じ、臥床状態(がしょうじょうたい)が続いている。医師から、「老衰により死期が近い」と診断され、家族は施設で看取りたいと希望している。
死が極めて近い状態にあるBさんの看取りに必要な情報として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.体重の減少
2.夜間の睡眠時間
3.延命治療の意思
4.嚥下可能(えんげかのう)な食形態
5.呼吸の状態
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1.(×)体重の減少が重要な情報である時期は過ぎていると考えられます。
2.(×)一日の大半は目を閉じ、臥床状態が続いている状況であり、睡眠時間の情報としての重要度は低くなっています。
3.(×)家族は施設で看取りたいと希望しており、延命治療を実施しないことの意思確認はすでに行われていると考えられます。
4.(×)1週間前から経口摂取が困難になっていることから、嚥下可能な食形態を検討する意義はありません。
5.(○)死が極めて近い状態になると、喘ぐような下顎呼吸(努力呼吸)や、無呼吸と深く速い呼吸を繰り返すチェーンストークス呼吸などの異常呼吸が出現します。こうした呼吸状態がみられた場合は死期が近いため、家族への対応を開始します。
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Lさん(25歳、男性)は、第7胸髄節(Th7)を損傷したが、現在、状態は安定していて、車いすを利用すれば1人で日常生活ができるようになった。図はLさんの自宅の浴室であり、必要な手すりは既に設置されている。
Lさんが1人で浴槽に入るための福祉用具として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.段差解消機
2.ストレッチャー
3.すべり止めマット
4.四点歩行器
5.移乗台
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第7胸髄節(Th7)の損傷では、両下肢の運動麻痺が生じます。
1.(×)段差解消機は、主に玄関で用いられる福祉用具です。
2.(×)全介助の状態であれば、ストレッチャーの使用が必要となります。
3.(×)すべり止めマットは主に浴槽内で使用するものであり、一人で浴槽に入るための福祉用具としては不適切です。
4.(×)四点歩行器は、歩行が不安定な利用者が、介助用・リハビリテーション用として使用する福祉用具です。
5.(○)「状態は安定していて、車いすを利用すれば1人で日常生活ができるようになった」という記述から、上肢の力を利用することで浴槽への出入りが可能であると考えられます。腰かけた状態で使用できる移乗台の設置が最も適切です。
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