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【介護職のお悩み】シフト希望が出しにくい、どう対処する?

【介護職のお悩み】シフト希望が出しにくい、どう対処する?

介護施設の場合は24時間、365日運営をしているため、働かれている方にとって休日の扱いは仕事をする上では非常に大事な要素となります。この記事では、改めて職場の労務管理という観点からシフトのお悩みにアドバイスをさせていただきます。【専門家/山本 武尊】


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本日のお悩み

シフト希望について相談です。
私の職場ではシフトの希望を月に3つ出せるのですが、先輩がいつも土日に休み希望を出すため、私の希望が出しにくいです。シフト希望は1枚の紙に全員が希望を書いておくのですが、先輩はいつも我先にと記載してしまいます。
お子さんがいると土日は休みたい気持ちもわかりますが、「あなたは子供がいないからいいでしょう。」と言われます。
そこに加えて、ほかの人も土日休みの希望を書いている場合は、私がとても取りにくくなってしまいます。職場を変えたほうがいいのでしょうか?アドバイスをお願いします。

誰もが働きやすい公平な職場を目指しましょう

執筆者/専門家

山本 武尊

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/23

おかげさま社労士事務所 代表 元地域包括支援センター センター長 社会保険労務士、社会福祉士・主任介護支援専門員・介護福祉経営士1級・ ファイナンシャルプランナー2級(AFP)・簿記3級 ▶プロフィール 大学(福祉学)卒業後、大手教育会社を経て、介護業界へ転身。 介護業界に関わる人の優しさに触れると共に、低待遇と慢性的な人手不足の課題解決のため社会保険労務士の資格を取得し、2021年に開業。 地域包括支援センターでセンター長として長年勤務した経験を活かして、介護現場の最前線で活躍する事業所と人をサポートしている。 また、介護関連の執筆・監修者としての活動や介護事業書向けの採用・定着・育成・組織マネジメントなど、介護経営コンサルタントとしても幅広く活動中。

ご質問・ご相談をいただきありがとうございます。
介護施設の場合は24時間、365日運営をしているため、働かれている方にとって休日の扱いは仕事をする上では非常に大事な要素となります。

ご相談者さまにおかれましては、それはそれは理不尽な対応に心を痛めたことでしょう。
このシフト決めはどこの介護現場でもある問題です。

ぜひこの記事をご覧の特に管理職の方々は、改めて職場の労務管理という観点からもこのシフト希望の問題を考えていただければ幸いです。

そもそも、管理職がシフトを決める理由とは

シフト決めの際のルールについて、法律での明確な定めはありません。
それゆえ会社のルールである就業規則や所属している法人理念に基づいた職場風土が非常に重要となります。
 
そもそもですが、なぜ一般的には管理職がシフトを決めているでしょうか。
当たり前ですが管理職が部下の休日を管理するためもでもありますが、その本当の理由は決められたシフトに不公平感がでないようにするためなのです。ただでさえ、連休が取りにくい介護現場では特にこの不公平感のなさを意識をする必要があり、軽視をすると職員の離職につながる可能性が高くなります。

改めて不公平感のないシフト作りの意識を管理職の方々は考える必要があるでしょう。

今回の対応をどう考えるか

1.シフト作成者やその上司へ相談する

今回のご相談のように1枚の勤務表に希望を書く場合では、職場の力関係や早いもの勝ちというような不公平感を生む可能性が高いです。
またシフト作成者の個人的な意向が強く反映されたシフトが組まれている場合も同様です。シフト作成者の上司(施設長)に相談をすることをお勧めします。

2.転職を検討する

組織全体を通して、改善が期待できない場合は、シフト以外にも課題が多い職場の印象を受けます。その環境で長く働けるかを今一度考えていただき、転職も視野に入れて検討をしてもよいかもしれません。

有効であった取り組みの事例

シフト作成で不公平感がでないよう、取り組まれている施設は多くあります。
今回は、私が見てきた介護施設の取り組みをご紹介します。

1.最低1日は希望に沿ったシフトを作る

シフトを作成したことのある方であれば、お分かりかと思いますが、全員の希望をすべて受けることはシフト作成においては非常に困難です。
ただ、月に3日の希望を聞いたなかで、必ず1つは希望通りのシフトを組み込むことで、周囲への理解を得やすくなります。

2.土日祝日出勤の場合は手当を支給する

一般的に他の家族や友人が休みである土日祝日は介護職員も休みの希望をする人が多いのは当然です。シフトでの調整が困難であった場合は、土日祝日に出勤をした職員に手当を支給するという方法もあります。金銭を上乗せすることで不公平感を解消します。

3.連休のシフトを組む

一般的に介護施設では連休を取りにくい環境があります。シフトの中でも意識的に連休を組むシフトにすることで、労働日と休日のメリハリのある環境を作ることができます。

4.離職やハラスメントにつながる可能性も

労働者にとって休日は、言い換えると、いつが労働日かということになります。これは大事な労働条件です。

労働契約や就業規則では休日はシフトによるとの記載があれは、問題はありませんが、結果として不公平な職場になり兼ねず離職につながる可能性があります。その影響を受けるのは残った職員たちになり、その職員たちで業務をカバーしないとなりません。
ただでさえ慢性的に人手不足の介護現場ではさらなる悪循環を生む可能があるでしょう。

また、今回のご相談のように「あなたは子供がいないからいいでしょう。」「独身なんだから~」などの発言はセクシャルハラスメントにもなりかねない発言となり、労務管理面でも注意が必要となります。

まとめ/誰もが安心して働ける職場へ

今回はシフトからの見えてくる労務管理について解説をしました。誰もが安心して長く働く職場である必要があります。
不公平感が払拭されずに結果として離職につながれば、それは介護サービスの質の低下を意味します。ぜひ皆さんで働きやすい職場風土を作ってほしいと思います。

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この記事のライター

おかげさま社労士事務所 代表
元地域包括支援センター センター長

社会保険労務士、社会福祉士・主任介護支援専門員・介護福祉経営士1級・
ファイナンシャルプランナー2級(AFP)・簿記3級

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