次の記述のうち、若年性認知症(dementia with early onset)の特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.高齢の認知症(dementia)に比べて、症状の進行速度は緩やかなことが多い。
2.男性よりも女性の発症者が多い。
3.50歳代よりも30歳代の有病率が高い。
4.特定健康診査で発見されることが多い。
5.高齢の認知症に比べて、就労支援が必要になることが多い。
5.高齢の認知症に比べて、就労支援が必要になることが多い。
若年性認知症は、65歳未満で発症した認知症です。
1.(×)若年性認知症の症状は、高齢の認知症に比べて進行が速いとされています。
2.(×)高齢の認知症は女性に多いですが、若年性認知症は男性が多いことが特徴です。
3.(×)若年性認知症の平均発症年齢は約51歳であり、30歳代より50歳代の有病率が高いといえます。
4.(×)本人や家族が異常に気付き、受診して発見されることが多いとされています。
5.(○)若年性認知症の発症者は現役世代なので、経済的な困難に陥りやすく、就労支援が必要になることが多いといえます。
Lさん(78歳、女性、要介護1)は、3年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断された。訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用し、夫の介護を受けながら二人で暮らしている。ある日、訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると夫から、「用事で外出しようとすると『外で女性に会っている』と言って興奮することが増えて困っている」と相談を受けた。
Lさんの症状に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.誤認
2.観念失行
3.嫉妬妄想
4.視覚失認
5.幻視
1.(×)認知症では、対面している相手を別の人物と取り違えるなどの誤認がみられることがありますが、Lさんには該当しません。
2.(×)観念失行とは、かつてはできていた複雑な課題の目的が認識できず、個々の動作を正しい順序で実行できなくなった状態です。
3.(○)Lさんは、「夫が外で女性に会っている」という嫉妬に基づいた妄想にとらわれ、興奮している状態です。
4.(×)視覚失認とは、視力や視野は保たれているのに、目の前にある対象物が何であるのか答えられない状態です。
5.(×)幻視とは、実際に存在しないものが見えていると感じる、幻覚の一種です。
認知機能障害による生活への影響に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.遂行機能障害により、自宅がわからない。
2.記憶障害により、出された食事を食べない。
3.相貌失認により、目の前の家族がわからない。
4.視空間認知障害により、今日の日付がわからない。
5.病識低下により、うつ状態になりやすい。
1.(×)自宅が分からなくなるのは、場所の見当識障害です。
2.(×)記憶障害は、記憶の記銘・保持・想起が障害された状態です。認知機能障害の人が出された食事を食べないのは、記憶障害が原因というより、他のことに気を取られていたり、妄想が原因だったりすることが多いといえます。
3.(○)相貌失認とは、見知っているはずの人の顔を見ても、それが誰だか分からない状態です。
4.(×)今日の日付が分からなくなるのは、時間の見当識障害です。
5.(×)認知機能障害では病識が希薄なので、うつ状態になりやすいとはいえません。
Mさん(80歳、女性、要介護1)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)であり、3日前に認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居した。主治医から向精神薬が処方されている。居室では穏やかに過ごしていた。夕食後、表情が険しくなり、「こんなところにはいられません。私は家に帰ります」と大声を上げ、ほかの利用者にも、「あなたも一緒に帰りましょう」と声をかけて皆が落ち着かなくなることがあった。
Mさんの介護を検討するときに優先することとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.Mさんが訴えている内容
2.Mさんの日中の過ごし方
3.ほかの利用者が落ち着かなくなったこと
4.対応に困ったこと
5.薬が効かなかったこと
1.(○)Mさんは3日前に認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居し、生活環境が大きく変わっています。その不安に起因する反応だと考えられるため、訴えを傾聴し、寄り添っていく姿勢が求められます。
2.(×)日中の過ごし方も大切な検討事項ですが、まずは訴えに対応する必要があります。
3.(×)ほかの利用者の落ち着きを取り戻すためにも、Mさんの訴えに対応する必要があります。
4.(×)対応に困ったことを検討し、ケアに役立てることは重要ですが、まずは訴えへの対応が先です。
5.(×)3日前の入居であり、薬の効果を検討するには時期尚早だといえます。
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