本日のお悩み
コロナウイルスで給料がカットになるのではないかとうわさが流れています。
これは受け入れるしかないですか?
なにか対策を取ることはできるんでしょうか。
新型コロナウイルスの影響で賃金カットされてしまうのか?
回答者
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、自粛ムードの中、インバウンド激減など経済に大きな影響が出ている状況にあります。
飲食業界、ホテル・旅館業界など、企業としても死活問題となるような業界もあります。
※2020年4月13日時点
■基本的には、会社が一方的に賃金をカットすることはできない
そのような中、新型コロナウイルスの影響で会社の業績が悪化したことから、会社から給料のカットを言われた場合にどうなるのかとご心配の方もいらっしゃるかと思います。
賃金カット、すなわち、賃金の引き下げですが、これは労働条件の不利益変更といって、原則として会社が一方的に労働条件(賃金)を引き下げることはできません。
ですので、賃金カットに納得していなければ、受け入れる必要はありません。
■ただし賃金カットが認められてしまう場合も…
労働者の明示または黙示の合意がある場合
ただ、労働者の明示または黙示の合意がある場合には、労働条件を変更することもできますので、賃金の引き下げ、すなわち、賃金カットも可能になります。
したがって、一度合意してしまうと、賃金カットが認められてしまう可能性があります。
合意の有無・有効性を争うことも可能ですが、後から争うのは訴訟や労働審判で争わうなど手間がかかりますし、認められない場合もありますので、慎重な対応が必要です。
就業規則を変更した場合
また、労働者の合意以外にも、使用者(会社)側が一方的に労働条件の不利益変更を行ってしまえる場合もあります。
労働契約法10条でも、諸事情に照らして合理的な場合には、就業規則の変更により労働条件を変更できるとされています。
本当に認められるかどうかはケースバイケースですので、迷ったら弁護士などの専門家に相談されるのが良いかと思います。
以上のように、会社が一方的に賃金カットできないのが原則ですので、労働者側としてできる対策としては、安易に賃金カットに合意しない、ということになります。
伊達総合法律事務所 代表弁護士