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霊感のある人が介護施設で働くと視えますか?ある夜勤中のエピソードをご紹介します…

霊感のある人が介護施設で働くと視えますか?ある夜勤中のエピソードをご紹介します…

【執筆者:後藤晴紀】介護施設でのある体験…本当にお知りになりたいのですか…?笑 


本日のお悩み

幽霊が見える人や霊感のある人が介護施設で働くと視えますか?夜勤の時など、怖くないのでしょうか?そういうエピソードを知っていたらおしえてください

霊感のある人が介護施設で働くと視えますか?ある夜勤中のエピソードをご紹介します…

本当にお知りになりたいのですか。。。

視える人は、場所に限らず視える(らしい)

ご質問ありがとうございます!ちょうどご質問をいただいて、回答している今がお盆の時期でしたので、色々と思い出しますね(笑)

ご質問への回答ですが、ズバリ!
視える人は、場所に限らず視える(らしい)です!!

私自身は、20年この業界で働いていますが、一度たりとも幽霊を視た事はありません!(笑)
ちなみに、感じたこともありません!(笑)

自動扉が勝手に開閉する事や、だれもいない居室のナースコールが鳴ること、ご利用者の方から『さっきから子供が走り回ってうるさいから眠れない』と訴えられる等々、ご利用者さんから夜中に言われたひと言で怖いと感じたり、同じ夜勤者が顔を真っ青にしたことは何度も経験しているので、そのお話はさせていただけます。
ただし、本当にお聞きになりたいですか??


本当にこのまま読み進めてよろしいですか??
後悔はなさいませんか??

そうですか。
読み進められるのですね。。。
よろしいのであれば、このままお話しさせていただきます。

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後藤さんの体験談

大規模な広域型の特養で介護職員として働き始めて数年が経過した、ある夜勤での出来事です。静まり返った施設内は、日中とは違った表情を見せ、わずかな物音でも結構響いて聞こえてくるものです。『キュルキュル、キュルキュル』という歩行器を押す際の車輪の音や、『ヴーン』という冷蔵庫の音がフロア内に響き渡ります。

そんな音に耳をすませながら、『○○さんがトイレですかね?確認してきますね。』など、その都度ご利用者の様子を伺い、対応していきます。入職間もないころは夜勤が怖かったのを思い出しますね。人間とは不思議なもので、直ぐに暗闇には慣れていき、気付けば全く恐怖は感じなくなりました。


その夜もいつもと変わらず、先輩と夜勤を2人体制で行っていました。居室や廊下の電機は消灯され、非常口を示す緑のライトが廊下の隅を薄暗く照らしていました。

23時を廻り、定時巡視の時間となりました。私と先輩は手元を照らせる懐中電灯を手に、フロア内の巡視を開始しました。
先輩『俺こっち廻ってくるわ』
後藤『了解です』

3階建ての大きなフロアでしたので、二手に分かれながら60名ほどが休まれている居室を含め、トイレや階段などを確認して行きます。

懐中電灯は持っていましたが、懐中電灯を照らすと、余計にその周囲は暗くなるんですよね。利用者さんを照らしてしまい、驚かせてしまうことも無いように、私はいつもライトを消して、暗闇に目を慣らしながら巡視をしていました。実際その方が全体が見えたりするんですよ。

その日も数名の方がベッド上で覚醒されていたり、トイレに行かれていた方がいらっしゃったので、お一人お一人に
『おやすみなさい。大丈夫ですか?』
『こんばんは。スタッフの後藤ですよ。眠れませんか?』等とお声掛けしていきました。

笑顔で会釈をして下さる方や、『大丈夫だよ』そんな返事を受けながら、先輩よりも先にスタッフルームへと戻ってきました。

いつもと変わらない夜。
夜勤日誌に巡回での報告を記載していた時、巡視に行かれていた先輩も戻ってきました。

後藤『○○さんと○○さん起きていましたよ』
先輩『こっちは○○さんが起きてたよ』
先輩『仮眠先が良い?後が良い?』
後藤『どちらでも良いっすよ、○○さん先に入られてください』
いつもの会話。


そんな中突然、先輩が無言になりました。

私は記録を書き終え、先輩の方を見ると、先輩も私の方を見ていました。

先輩『やばい。どうしよう』

先輩『あ、あ、晴紀。やばい、どうしよう』
後藤『え?どうしたんすか?』
先輩『やばい。どうしよう』

血の気が引いて顔面蒼白。明らかに先輩の表情が違います。

先輩『さっき、○○さん起きてたって言ったじゃん。トイレにいたんだよ。でもさ○○さん、先週亡くなったんだよね。』
先輩も巡回の記録をつけている際に、『異常なし』のチェックをつけようとしましたが、ご逝去された○○さんの名前が無いことに気づいたのです。
後藤『え?』
先輩『トイレに居たの。歩行器使ってたし、○○さんだったから、だからお休みなさいって言ったら。。。『ありがとう』って言ったから戻ってきたの』

後藤『いや、見間違いじゃないですか?』
先輩『見間違えるわけないだろ。晴紀も見間違えるか?あっちで歩行器使ってる人いないだろ、ちょっと確認してきてよ』
後藤『いや、無理ですよ』

確かに、私たちがご利用者の事を見間違えることはほとんどありません。ましてや歩行器を使用されている方であれば、なおさら間違えるはずもなく、先輩が間違えるとも考えにくいんです。そして何より、先輩のその表情は冗談を言っている顔には見えず、私も何も言えなくなりました。

どうやら先輩は、確かにご利用者のトイレで○○さんと会ったようです。手を洗っていたため、後ろ姿だったようですが、着ていた衣類も髪型も髪の色も、少し曲がっていたその背中も、確かに○○さんでしたからね。


その後は静まり返った薄暗い廊下や、時折聞こえてくる車いすが動く音さえも敏感になり、普段は何も感じないはずのフロア内に恐怖を感じるようになりました。『見間違いだよ。』何度も自分に言い聞かせましたが、リネン庫に物品を取りに行くことも怖くてできません。先輩も私もその日は仮眠に入らず、何事もなかったかのように、雑談をしながら朝を迎えました。

その後先輩は、私が巡視していたフロアの見回りをおこなうと言い張るので、結局私が先輩の行っていたフロアの巡視を行う事になってしまいましたが、私には何も起こることはありませんでした。

そして、その夜が明けた朝、○○さんがいらっしゃった多床室の居室の隅には、○○さんが使われていた歩行器が置いてありました。保管庫に片づけていないだけでしたが、ぽつんと置かれた歩行器になんとなく背筋が凍るのを感じました。

お礼を言いに来てくれたのかもしれない

夜勤が終わり、別のフロアの先輩と3人で朝食を食べていると、昨夜の出来事を先輩が話し始めました。その話を聞き終えると、別のフロアの先輩がひと言。

『そうなんだ、いきなりだとビビるよね。きっと○○に会いに来たんだよ。お礼がしたかったんじゃない、そんなの何回もあるよ(笑)』
『!?』

いや、当時は衝撃でした。何回もあることにも驚きましたが、そんな風には考えられなかった時期だったので、なるほどそういう風にも考えられるのかと感心しながら、ようやく自分の気持ちの落としどころが見つかり、ほっとした気持ちにもなりました。


『お礼を言いに来てくれた。』

これ以降、次の夜勤でも怖さは全くなくなりました。そして、施設でこのような体験の話題が出た時には、私もその先輩が言ってくれた言葉を、伝えるようになりました。


入所施設であれば年間数十人がご逝去される中で、そこで何かを視たとしても、それはいつしか支援させていただいたご利用者なのかもしれないと思うと、むしろお会いしたいと思う事もあるくらいです。私達も直接お礼が言えるのなら、こんなに恵まれた経験はできませんからね。

お盆の時期、ご実家に戻られ、また帰られる際に、ふらっと私たちのところにもお立ち寄りいただく事があるかもしれません。その際には是非、ありがとうをお伝えくださいね。(笑)

不思議なことってあるんですね。



別のお話はまたの機会に。。。

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この記事のライター

・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事

介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士

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