30代から介護職への転職事情とは?
■執筆者
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とは言っても、未経験の業界に30代から足を踏み入れるのには不安がある方も多いはずです。
この記事では、30代で介護職へ転職をする場合の転職事情を確認したあと、転職の成功率やキャリアアップを目指せる資格の取得について解説します!
■施設等で働く介護職の年齢内訳
一般企業での30代は、管理職やチームのリーダーに進む人や、家庭を優先し、働き方を調整する人など仕事についてさまざまな選択をする年代というイメージが強いのではないでしょうか。
そのため、30代未経験で転職をすると活躍できないかもしれない、即戦力になれるか不安などといった気持ちを抱えている人も多いと思います。しかし、上記グラフからもわかるように、介護業界では30代の割合は約20%で、40代以上の割合の方が多いのです。
このことから、30代での入職は決して遅くなく、むしろキャリア形成をしていきたい人にとっても介護業界はおすすめの業界であると考えられます。
■年齢層別の採用数
次に、介護業界における年齢層別の採用者数を見てみましょう。
このことから、年齢によって採用の合否が変わることがほぼないことと、むしろ40代以上の採用も多い中で30代は若手としての活躍を期待してもらえる世代であると考えられます。
30代で介護職に転職するメリット
30代から未経験の職種であっても活躍できる業界であることがわかったと思います。
ここからは、30代で介護職に入るメリットを紹介し、続けてデメリットも紹介します。
メリットとデメリットを事前に確認しておくことで、入職前後のギャップを埋めることができます。
まず、30代で介護職に転職する主なメリットは以下の通りです。
2.働きながら資格の取得ができる
3.30代からでもキャリア形成を行える
■1.多様な働き方があり、ライフスタイルに合わせて選べる
また、訪問介護では、自分の希望する時間や日数に合わせて働くこともできます。子育て世代でもある30代のなかには、こういった働き方を選択することで、生活スタイルは変えることなく働き続けている人もいます。それぞれの条件に合わせて働き方が選べる介護職への転職はライフワークバランスなどに悩む方にとっても、可能性を広げられる手段であると考えられます。
■2.働きながら資格の取得ができる
さらに、事業所や施設によっては資格取得に向けた支援を行っているところもあるため、資格を取得しながら働きたいと考えている方は、入職前に確認しておくとよいでしょう。
■3.30代からでもキャリア形成を行える
介護業界は先述したように、40代以上が多い業界であるため、30代からの入職はむしろキャリア形成を行いやすい世代であるといえます。
一般的に、介護業界でキャリアアップやキャリアチェンジを目指すには資格が必要となります。自分の目指す姿になるために必要な資格は取得しつつ働いていけるとよいでしょう。
30代で介護職に転職したときのデメリット
30代で介護業界に転職をするデメリットは以下の通りです。
2.身体介護やシフト制による負担
■1.収入が下がる可能性がある
厚生労働省の調査によると、介護職全体の平均給与額は、年収に換算すると381万480円です。※1 一方、国税庁の調査によると、民間企業で働く全従業員の平均年収額は、458万円です。※2
この背景には、もちろん様々な事情はありますが、未経験で入職をするという点で現状の年収から下がってしまう可能性があることは視野に入れておきましょう。
しかし、近年社会的なニーズが高まっている介護業界に対しては、国も力を入れており介護職員等処遇改善加算などの仕組みで、介護業界の給与は年々あがっています。
今後ますますニーズが高まる業界であるため、収入に対する不安は将来的に解消する可能性があります。また、資格を取得することも給与アップを狙う方法となります。資格については後半で解説をしているのでぜひご覧ください。
※1 出典:厚生労働省 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果
※2 出典:国税庁令和4年分 民間給与実態統計調査
■2.身体介護やシフト制による負担
特別養護老人ホームなど要介護度が高い人が多く入所する施設では、身体介護を行う場面も多くなります。
しかし、腰痛などの身体的負担を理由に退職する人もいることから、国は離職防止や定着促進、生産性の向上を目的として、介護ロボットやICT化の促進を進めています。身体介護の多い施設などでは、すでに介護負担を減らすための機器を導入しているところも増えてきており、身体的負担は今後少なくなっていくでしょう。
また、24時間体制で介護を行う入所施設では一般的にはシフト制が導入されているため、変則勤務に不安を感じる人もいます。しかし、施設や事業所にはさまざまな種類があり、勤務体制も施設によって異なります。例えば、デイサービスなどの通所施設では日勤帯の規則的な勤務体制となっていることが多いでしょう。
自分に合う勤務体制を導入している施設や事業所を選ぶことで、変則勤務に対する不安は解消できるでしょう。
30代で介護職に転職するなら目指したい資格とは
以下の図は、主なキャリアプランの一例です。今回は、この中で特に基本とされている「介護職員初任者研修」、「介護福祉士実務者研修」、「介護福祉士」そして、介護関連の資格以外で介護業界で活かせる「普通自動車第一種免許」について紹介します。
■介護職員初任者研修
求人情報の資格要件に記載されることもあり、取得していると転職に有利に働く資格と言えます。介護職員初任者研修には受講要件がないため、誰でも受講することができます。
通信課程の場合、自宅学習のほかにスクーリングを受ける必要があります。介護職員初任者研修に必要な学習時間数130時間のうち、通信課程で習得できるのは40.5時間までとなっており、残りの89.5時間はスクーリングにて学ばなければなりません。そのため、スクーリングの頻度によって取得期間が変わってきます。
■実務者研修
介護福祉士国家試験を実務経験を積んで受験する際には、実務者研修を修了していることが義務付けられています。そのため介護福祉士を目指す人に人気の資格です。
実務者研修の通信課程は、介護職員初任者研修と同様に自宅学習とスクーリングによって構成されています。習得しなければならない21の科目のうち、介護過程Ⅲと医療的ケア・演習の2科目はスクーリングでのみ取得が可能です。
なお、職業訓練でも講座を開講しており、就職前に実務者研修を修了する人もいます。この場合の受講期間は6ヵ月です。
■介護福祉士
転職時に介護福祉士資格を取得している人は介護職の経験があるため、即戦力として採用されることが多いでしょう。また、多くの施設や事業所で資格手当がつくことや経験を加味されるため、初任給も上がりやすい傾向があります。介護福祉士資格は介護職の転職では非常に有利に働くと言えるでしょう。
2.実務経験を積むなどして国家試験の受験資格を得る
→すでに介護職の経験がある人の場合は、3年以上の実務経験と実務者研修を修了することで、介護福祉士国家資格を受験することが可能です。
3.福祉系高校を卒業する
上記2の場合は実務経験3年以上が必要です。
上記3の場合は福祉系特例高等学校ルートなら卒業後に実務経験を9ヵ月以上経験し、筆記試験、実技試験に合格すれば取得できます。また福祉系高校ルートなら卒業後筆記試験に合格すれば取得できます。
■普通運転免許(普通自動車第一種免許)
通所施設では送迎業務を介護職員が行うところも多いため、普通運転免許を持っていると転職に有利です。入所施設でも、緊急時の受診や行事で外出するときには介護職員が車の運転をすることもあります。
普通運転免許は介護職員に必須の資格ではないものの、介護職への転職では持っておくと面接時のアピール材料のひとつにすることができるでしょう。
まとめ 30代で介護職に転職するときは資格取得を目指す姿勢が大切
30代で介護職への転職を成功に導きたいのであれば、介護職員初任者研修や実務者研修などの資格を取得しておくことをおすすめします。特に、実務者研修は将来介護福祉士を目指す人には必須の資格となります。
事前に介護職員初任者研修を受講し、資格を取得しておき、実務を経験しながらステップアップを目指すことも、30代なら余裕を持ったペースで進めることが可能です。介護職経験者で資格を全く取得していない場合は、早めに将来設計を立て、希望の働き方やなりたい介護職のイメージを明確にしておくことが転職を成功させるひとつの方法だといえるでしょう。
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