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介護職のボーナスはどれくらい?支給状況や施設・職種による違いをチェック!

介護職のボーナスはどれくらい?支給状況や施設・職種による違いをチェック!

[2024年6月更新]介護職のボーナスってどれくらい?介護職の場合、ボーナスの有無や金額は事業所によってまちまちですが、平均額や支給状況、施設・職種による違いなどを解説します!(執筆:ささえるラボ編集部/コラム:大庭 欣二)


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執筆者

ささえるラボ編集部

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ささえるラボ編集部です。 福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします! 「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。

就職や転職を考えるうえで、志望する法人(事業所)のボーナスの有無や額は外せないチェックポイントでしょう。
もちろん介護職も、法人(事業所)に勤める以上、ボーナスが支給される可能性があります。
介護職の場合、ボーナスの有無や金額は、勤務する事業所やサービスの種類などによってまちまち。
とはいえ、平均額や支給状況、施設の種類や職種別の相場などがわかれば参考になるはずです。
今回は、介護業界のボーナス事情を探ってみましょう。

介護職は賞与がもらえるの?

まずは、介護業界でどれくらいの事業所がボーナスを支給しているのか見てみましょう。

介護労働安定センターは、2022年に全国の介護保険サービスを実施する事業所を対象にボーナス(賞与制度)の有無や実施状況を調査を行いました。

無期雇用職員(正社員、一部パート・アルバイト、一部派遣社員)は約7割に賞与が支給

無期雇用ボーナス

出典:介護労働安定センター 令和4年度介護労働実態調査「事業所における介護労働実態調査 結果報告書 」 をもとに作成

同調査によると、無期雇用職員は約7割がボーナスを支給されていることがわかります。また、無期雇用職員には一部のパート・アルバイトなどが含まれているため、正社員雇用の場合はそれ以上の割合で支給があると考えてよいでしょう。

経営状況に応じて支給する事業所もあるようなので事前に確認しておくと、「賞与があると思っていたのに…」などのミスマッチを避けることができます。

有期雇用職員(パート・アルバイト、契約社員、嘱託社員、派遣社員)は約4割にボーナスを支給

有期雇用職員のボーナス

出典:介護労働安定センター 令和4年度介護労働実態調査「事業所における介護労働実態調査 結果報告書 」 をもとに作成

一方で、有期雇用の職員に対しては約4割の事業所が賞与を支給しています。
多くの場合支給がないと考えたほうがよいですが、雇用契約書や労働規則に賞与についての定めがある場合支払いが発生します。

賞与があるところで働きたいという方は、「採用をいただいたからすぐ決めてしまう」ではなく、契約条件などを確認してから入職するとよいでしょう。

サービス形態によっても異なるボーナス支給状況

介護施設には、さまざまなサービス形態があり、その種類によってもボーナスの有無の割合が大幅に異なります。

ボーナス サービス形態別

出典:介護労働安定センター 令和4年度介護労働実態調査「事業所における介護労働実態調査 結果報告書 」 をもとに作成

上記、図から入所型の施設では9割弱が賞与の支給を受けている一方で、居宅介護支援では4割弱しか賞与を受け取っていないことがわかります。

このことから、24時間体制で介護を行うサービスや、要介護度が高い利用者さんの介護をサービス内容とする場合は比較的ボーナスをもらっている割合が高いと考えることができるでしょう。

ボーナスの支給時期っていつ頃なの?

事業所ごとに回数や時期は異なる

介護業界でも、他の多くの企業と同様、ボーナスは冬(12月)と夏(6月か7月)の年に2回、「基本給の◯カ月分」という形で支給されるのが一般的です。
ただ、事業所によっては、支給時期は年に1回冬のみというところ、基本給とは関係なく定額を支給するところ、業績に応じた算定方法を採用しているところもあります。

ボーナスは、法律上、企業が必ず支払わなければならないというものではありません。 基本的には毎年支給されていても、業績が悪化した年には支給がない場合もあります。 就業規則で「原則は年2回、基本給の◯カ月分とするが、業績によっては支給しない場合もある」といった規定を設けている事業所も少なくありません。

介護職のボーナスって金額はどれくらい?

介護業界のボーナスはいくらくらいもらえるのでしょうか。
一般企業でも役職や職種によって賞与額が異なるように、介護業界でも職種によってボーナス支給額が異なります。
施設によって支給条件が異なりますが、ここでは職種別の賞与平均額を見てみましょう。

職種別の平均ボーナス額

職種別ボーナス額

出典:介護労働安定センター 令和4年度介護労働実態調査「事業所における介護労働実態調査 結果報告書 」 をもとに作成

上記図から、より専門性の高い看護職員や相談援助業務を行う生活相談員の賞与額が高いことがわかります。
一方で現場に尽力する介護職員の賞与額が低いように見えますが、介護職員は未経験の方や資格がなくてもチャレンジできる職種のため資格の有無や、対応している業務によって金額に幅があると考えられます。そのためあくまで、それらの平均値として見ていただくのがよいと思います。

介護業界で賞与額をあげるには、介護職員としての資格取得を積極的に行い職位をあげることやケアマネジャーなどの職種にキャリアチェンジするなどがよいでしょう。
また、そもそも賞与は務めている事業所・施設の業績がよいことが重要ですので、無駄なコスト削減や処遇改善加算をしっかり事業所がとっていけるよう算定要件を満たせるよう一人ひとりが努力するということも重要と言えます。

コラム:今よりたくさんボーナスをもらうには?支給金額の決まり方についても解説!

大庭 欣二

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/11

福岡福祉向上委員会 代表 外資系コンピューター会社の営業、父親が営む会社の経営見習いを経て、2002年に35歳で福祉の世界に入り、14年間で2つの社会福祉法人の経営に携わる。 新規事業立ち上げ・組織づくり・職員育成・労働環境改善を行い、職員の労働満足度を向上させ、離職率の劇的低下を実現する。

介護業界で、正規職員の約7割がもらっているという賞与、いわゆるボーナス。
皆さんは、夏のボーナスは支給されましたか?その金額には満足していますか?

今回は、ボーナスが決まる仕組みや、少しでもその額を増やすにはどうしたらよいかを考察したいと思います。

ボーナスの金額はどのように決まる?

■ボーナス額は法人ごとに決めるので求人票や契約書を確認しましょう

最初からこう言うと身も蓋もないですが、ボーナスが決まる仕組みは、法人によりさまざまです。

極端に言えば、ボーナスを支払う義務は経営者にはないので、賃金規定にさえしっかりと謳っていれば、いかようにでも出来るのです。(もちろん、労働者の不利益となる規定の変更は勝手にできません。)
つまり、利益が出ていない状態のときは、ボーナスの支給率を減らすこともできるわけです。

■転職するときに必ず確認したい「賞与」の欄

しかしながら、いまや生活の一部ともなっているボーナス。
勝手になくなったり、大幅な減額をされたりすると困っちゃいますよね。住宅ローンなど、各種返済のアテにしている方もいるのではと思います。

就職するときに、必ず目にしたであろう「求人票」。
紹介会社経由や求人サイト経由であったとしても、労働条件は確認したうえで、行きたい先を決めていくと思います。求人票であれば「賞与」という項目があり、前年度の支給実績の有無、あるのであれば年何回で、何か月分の支給なのかを確認できます。
これは必ず確認しておいたほうが良いです。理由としては前述したように、必ずしも賞与を支給されるところばかりではないからです。 そのうえで、気になる方は、面接時に賞与の支給決定方法は確認してもいいと思います。

■あなたのボーナスは、固定?業績連動?

固定で「何か月分」という事業所もあれば、業績連動のところもあります。業績連動とは、売り上げや利益額に応じて、賞与の支給月数や金額が変わる仕組みです。その対象期間や、どのように変動させるかは、事業所により異なり、賃金規定に明記しているところもあれば、「業績により変動する」とだけ謳っているところもあります。

さまざまな法人格が介護事業を運営していますが、私の経験でいうと、「社会福祉法人」は比較的賞与の月数を固定しているケースが多く、「株式会社」などは業績連動で支給率や額が変動しているところが多い気がします。一定なのか上下動があるかの違いなので、一概にどちらが良いとは言えません。

そして、いずれの場合でも、それを職員に等しく分配するかどうかも、事業所次第なのです。半期ごとに賞与を支給している事業所を例にとると、半期ごとの人事考課を行い、支給額の査定をされるところが多いようです。

■ボーナス金額の決まり方の一例

私が関わってきたところでは、人事考課を行うときに、「人事考課表」や「人事評価表」と言われるものを使い、自己評価→第一次評価→第二次評価→最終評価というプロセスを経て、個々の支給額が決定するという仕組みでした。第一次評価は直属の上司、第二次評価はその上の上司というように、評価者の役職があがっていき、組織全体の評価バランスが整っていく形となります。

ズバリ、ボーナスの金額をアップさせるには?

■法人が定める賞与の決め方を確認しましょう!

皆さんに気にしてほしいのは各法人の賞与の決め方です。もちろん完全に固定されている事業所もありますが、金額が変動するところの多くでは、「人事考課表」に記されている項目で評価が行われます。

人事考課表の項目とは、各組織が求めるものであり、職員さんに目指してほしい姿が明示されているのです。つまり、半年ごとの自己評価のときだけ、それを見るのではなく、常日頃からそれを意識し、実践することが、組織が求める職員像に近づくこととなり、結果的に賞与額に反映されていくと思います。

多くの方々が、「人事考課表」をそのような形で意識し、実践することが、自分自身も組織も成長していくこととなり、「賞与」や「人事考課」が職員一人一人のモチベーションアップに繋がっていくと思います。

■賞与額をあげたい、賞与がほしいという場合は転職も視野に入れましょう

また、賞与がない事業所で働いており、ほしいと思っている方は賞与がある事業所に転職することも1つの選択肢でしょう。

しかし、賞与があることがすべてではありません。給与の面でいえば年収で考えたときにどうかであったり、利用者さんとの関係でいえば自分の行いたい介護ができる事業所であるかなど。

それらを確認したうえでも、より条件に合い、自分が生き生きと働ける環境であれば転職をすることも選択肢の1つになります。

ボーナスは、仕事への向き合い方を変化させる機会

単に金額の多い少ないで一喜一憂するのではなく、賞与の意義やその背景を考えた向き合い方をしてみてはいかがでしょうか。

それが、自分自身の働き方や、仕事や組織への向き合い方が良い方に変化するきっかけになるかもです。
是非とも、しっかりと成長して、たっぷりと賞与をもらってくださいませ。

まとめ:ボーナス額だけにとらわれず、さまざまな要素を考慮して判断を

ボーナスの額やもらえる回数は、多いに越したことはありません。
介護施設への就職や転職を考える際には、求人票などをよく確認して、今回ご紹介した情報を参考に、ボーナス額が少しでも多いところを選ぶとよいでしょう。

ただし、職場選びで考慮すべきポイントはボーナスだけではありません。
事業所によっては、基本給が少ない代わりにボーナスを高めに設定している場合もあります。

また、基本給やボーナス額が高い施設ほど、要介護度の高い利用者が多く、重労働になる傾向があるのも現実です。
ボーナス額だけでなく、基本給や職場環境、サービス形態、利用者の要介護度など、さまざまな要素を考慮して、自分に合った勤務先を選ぶことが大切です。

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