そもそも個別機能訓練加算とは?
■執筆者/専門家
社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員 特別養護ホーム生活相談員、訪問介護事業、地域包括支援センターにて介護支援専門員の経験あり。 現在は、デイサービス管理者として勤務。 地域でのネットワーク活動では事務局として「死について語る会」や「3大宗教シンポジウム」など幅広いテーマの勉強会やイベントを企画・運営の経験がある。 すきな食べ物はラーメン。
もう少し詳しく説明すると、機能訓練指導員※が利用者さんの身体機能、認知機能をしっかりと情報収集・課題分析し、その方に合った個別な訓練計画を作成します。そして、その計画に基づいて、身体機能や生活機能の向上を目指した訓練を実施します。このプロセスがしっかりと行われ、一定の基準を満たすことで、加算として報酬が支払われる仕組みです。
■機能訓練指導員の対象となる資格
2.作業療法士
3.言語聴覚士
4.看護職員
5.柔道整復師
6.あん摩マッサージ指圧師
7.はり師・きゅう師(※一定の実務経験を有する者)
■個別機能訓練加算の対象サービスと単位数
■個別機能訓練加算算定のメリットとは
個別機能訓練加算を算定することで、どのようなメリットがあるか紹介します。
■1.利用者さんのQOL向上
その結果、利用者さんの身体機能向上を期待することができ、より自立的な生活を送れるようになります。これにより、利用者さんの満足度が向上し、施設の評価にもつながることが考えられます。
■2.介護職のスキルアップ
一連のプロセスには他職種の連携が必要となり、様々な視点から考える力が養われるでしょう。また、機能訓練の視点から 利用者さんへアプローチし、変化を目の当たりにすることで、職員の仕事へのやりがいも大きくアップします。
■3.事業所の経営安定化
これによって、事業所の運営資金を確保することができ、さらなるサービス改善や施設の整備に投資するなどより良いサービスの提供や、職員の待遇改善などに充てられます。待遇改善を行うことができると人材定着にができ、サービスの質や利用者さんの満足度向上にも繋がるといった好循環が期待できます。
「個別機能訓練加算」算定のために事業所が行うこと
■1.算定要件の確認
デイサービス(通所介護)における算定要件は以下の通りです。
どの加算を算定するにしても、機能訓練指導員の配置が必須です。
個別機能訓練加算(Ⅰ)イの場合は、専従で1名以上、ロの場合は専従で2名以上が必要です。
・個別機能訓練計画書の作成
利用者さん一人ひとりに合わせた計画書の作成が求められます。
また、訓練は個別もしくは5名程度の小規模なグループでの実施が必要です。
・記録の整備
機能訓練の実施記録や評価記録などを整備する必要があります。
また、この記録をもとに3ヶ月に1回評価が必要です。
・その他
加算の種類によって、必要な書類や手続きが異なります。
個別機能訓練加算(Ⅱ)の取得にはLIFEでのデータ提出やフィードバックの活用が必要で、(Ⅰ)イもしくはロに上乗せして算定を受けることができます。
■2.要件を満たすための準備
計画書の作成や管理を効率的に行うため、作成システムの導入を検討したり、 電子カルテシステムなどを導入し、記録の電子化を進めたりなどの体制を整えることで、業務効率化を図ることができます。
また、 職員に対して個別機能訓練加算に関する研修を実施し、算定要件の周知と理解を深めることも重要です。
■3.自治体への届け出
■4.利用者さんやご家族への説明と同意
■5.定期的な見直し
また、個別機能訓練加算の具体的な算定方法や必要な書類などは、介護保険の報酬改定によって変更になる場合があります。こちらに記載している内容は令和6年度改正のものであるため、ご自身の事業所で導入する際には必ず最新の情報を確認するようにしてください。
【具体例あり】個別機能訓練で行う訓練の内容
・バランス訓練
・歩行機能訓練
・日常生活動作訓練(ADL訓練)
・関節可動域訓練
・持久力訓練
訓練を継続して行うにはモチベーションの維持も必要です。目標設定が具体的であればあるほどモチベーションにもつながります。よくありがちな目標として「転倒せずに生活する」というものがありますが、その利用者さんは転倒せずに生活した先に「どんなことをしたいのか?」をアセスメントできると、より個別性の高い目標となります。
最後に:チームで連携し、利用者さんが自立的生活が行えるサポートをしましょう!
チームで連携しながら利用者さんがより自立的な生活を送れるよう、一緒に頑張っていきましょう。
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社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員