本日の一問一答
領域:総合問題
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Kさん(80歳、女性)は夫が亡くなった後、自宅で一人暮らしをしていた。ある日、一人娘のLさんが訪ねると、ごみが散乱しており、冷蔵庫の中には古くなった食材がたくさん入っていた。
変化に驚いたLさんはKさんと病院を受診したところ、認知症(dementia)と診断された。Lさんは、Kさんに家庭的な雰囲気の中で生活をしてほしいと考えた。その結果、Kさんは認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用することになった。
入居して1週間が経過し、Kさんと関わったM介護福祉職は、Kさんは短期記憶の低下により、最近の出来事については話すことは難しいが、自分が学校に通っていた頃の話や、子どもの頃に歌っていた歌については生き生きと話すことを確認した。
M介護福祉職は、Kさんが今持っている認知能力を活用して、ほかの利用者と交流する機会を作りたいと考え、Kさんとほかの利用者に参加してもらう活動を企画することにした。
M介護福祉職が企画した活動の手法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.リアリティ・オリエンテーション(reality orientation)
2.ピアカウンセリング(peer counseling)
3.スーパービジョン(supervision)
4.回想法
5.社会生活技能訓練
解答と解説
■解答
4.回想法
■解説
1.(×)リアリティ・オリエンテーションは、見当識障害を解消するための訓練であり、認知症に対する非薬物療法の一つです。
2.(×)ピアカウンセリングは、同じような立場や境遇にある人たちが、互いに体験や悩みを話し、共感的に支え合いながら解決策を見出していくことです。
3.(×)スーパービジョンとは、新人職員が熟練の指導者から教育・指導を受ける過程を指します。
4.(○)Kさんは、自身が学校に通っていたころの話や、子どものころに歌っていた歌についていきいきと話すことができています。残存する認知能力を活用して他の利用者と交流する手法として、昔の経験や思い出を語り合う回想法が最も適切であると考えられます。
5.(×)社会生活技能訓練(SST)は、認知行動療法に基づく精神科リハビリテーションであり、社会生活を送るためのスキルを身に付けるための訓練です。
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