本日のお悩み
少し前に、利用者さんと深夜にラーメンを食べる施設が話題になりましたが、そういう新しい考え方の法人が増えてきていますよね。先生方が見られた施設で、ここはよかったなという施設を教えてください。友達が働いている職場は、お酒好きの利用者さんと飲みに行くことがあるらしいです。
「それは本当に利用者さんがやりたいことなのか?」問いかけることが大事
深夜にラーメンを食べたり、お酒好きの利用者さんと一緒に飲みに行くなんて
いいですよね。以前、利用者さんと日帰り温泉に行ったことをお悩み相談で書きましたが、大好きなことをしている人ってホント輝いていて素敵です。
温泉に入った際のご利用者の笑顔は、いまでも忘れません。
今でも思い出す、利用者さんとの印象的なエピソードはありますか? | ささえるラボ
https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/237【回答者:伊藤 浩一】やっぱり最高!お風呂後のコーヒー牛乳。専門家・伊藤さんと利用者さんの、ほっこりエピソードをご紹介します。
■面白いなと思った取り組み
さてご質問の件です。
面白いなと思った施設の取り組みをご紹介しますね。
・常連だったスナックにお連れする
・宿泊旅行に行く
・孫の結婚式にオシャレして参列する
・大好きな歌手のコンサートに行く
どうでしょうか?みんな素晴らしい取り組みですよね。
■視点がズレていた経験…
私も上記の話を聞いた時、思わず現場の職員にこんな面白いことやっている施設があるよ!と伝えにいきました。
しかし、職員の反応は苦笑い。あきらかに滑っている感じでしたね。
なぜ、こんな雰囲気になってしまったのか?
それは、視点がズレていたからです。
「どこどこでこんなことやっているからみんなもやってみたらどう?」
というのは、職員側の視点であって本当に利用者さんがしたいことなのか?
ということです。あの冷ややかな視線は、私も度々やらかしていますが、穴があったら入りたい思いでした笑
■本当に利用者さんがやりたいことなのか?」を問いかけること
ということで、
おそらく質問者さんは、話題性のある新しい取り組みを行う法人さんに興味を持つとともに、自分もやってみたいと思われたのではないでしょうか?とってもいいと思います!しかし、気持ちだけで行動せず、一旦立ち止まって、「それは本当に利用者さんがやりたいことなのか?」を問いかけること、その上で実践したことが、結果的に話題性があったという図式になるように気をつけることをお勧めします。
一方で、話題性を求めるのは、その現場にリスク管理を重視しすぎる閉塞感があるからということも予測できます。そんな中では職員さんも息苦しくなっちゃいますよね。なんかやってみたい!という気持ちもとても大事です。リスクを打開できるのがプロフェッショナルの仕事、リスク重視論に偏らない、柔軟性の高い職場の雰囲気をつくるとどんどんアイディアはでてくるはずです。
「ご利用者の視点を忘れずにまずはやってみる」
一歩踏み出せば、近い将来、質問者さんの事業所が話題を生むことになっているでしょう。
茨城県介護福祉士会副会長
特別養護老人ホームもくせい施設長
いばらき中央福祉専門学校学校長代行
NPO法人 ちいきの学校 理事
介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント
介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員 MBA(経営学修士)