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40代からの転職|介護業界への転職事情やおすすめの職場、年収や資格について解説!

40代からの転職|介護業界への転職事情やおすすめの職場、年収や資格について解説!

[2024年8月更新]40代未経験で介護業界への転職。受け入れてもらえるのか、家庭と両立ができるのか、今までに身につけたスキルを活かせるのかなど様々な不安があると思います。この記事では、40代で介護業界への転職を考えている方に転職事情や、給与・資格等について解説をします!【執筆者:ささえるラボ編集部、コラム/専門家:大庭 欣二】


目次

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40代から介護業界への転職は可能なの?

執筆者

ささえるラボ編集部

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ささえるラボ編集部です。 福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします! 「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。

人生100年時代と言われている近年、40代というのは様々な節目の世代と考えても良いのではないでしょうか。
育児が落ち着いたので働き始めたい、管理職として今の職場での経験に何か物足りなさがある、何か新しいことに挑戦してみたいなど様々な選択肢がある世代だと思います。一方で、「40代からの採用は厳しそう」「未経験で40代はニーズがなさそう」など不安を抱えている方も多いと思います。

しかし、結論から申し上げると「40代未経験で介護業界への転職は可能」です。
この記事では、不安を抱えている方や、介護業界への転職を検討している方に向けて、40代からの転職事情や、給与・資格などについて解説していきます。

40代から介護業界への転職事情とは

まず、40代から介護業界への転職について、その転職事情を見ていきましょう。

40代は採用数が最も多い!

介護職採用者数

出典:介護労働安定センター 令和5年度介護労働実態調査「事業所における介護労働実態調査 結果報告書」をもとに作成
公益財団法人 介護労働安定センターの調査から、訪問介護員と介護職員、2種の採用者数は40代が最も多いということがわかります。もちろん、この数値には介護業界内での転職をした方も含まれますが、この結果から、年齢が原因で採用されづらいということはないと考えられます。

では、なぜ40代から介護業界で入職をする人が多いのでしょうか。

40代から介護業界に転職する人が多い理由

ここからは、なぜ40代で介護業界に入職する人が多いのかについて解説していきます。
主な理由は以下の通りです。
1.子育てが落ち着き始めたから
2.今の会社に不満や不安があったから
3.スキルを身につけたり、活かしたりできる職に就きたいから

1.子育てが落ち着き始めたから

40代になり、子育てが落ち着いたタイミングで入職を考える人は多いのではないでしょうか。
厚生労働省の調査によると、第1子出生時の母の平均年齢は令和4年度で30.9歳であることがわかります。

このことから、40代は子どもが中学生、高校生、大学生と幼少期に比べると手がかからない年齢になる方が多い世代であるため、子どもの進学に合わせて入職を決める方も多いと考えられます。
※ 出典:厚生労働省 令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況

2.今の会社に不満や不安があったから

40代は、社会人としての経験を約20年以上積んだ方が多い世代です。そのため、会社内でも管理職(係長や課長、部長)などに就いている方が増え、より今の職場の実態と向き合う機会が増えてきます。
経営層の考えが見えるようになったときに、長年勤めていた企業でも、「自分とこの会社は合わない」「この会社の将来って大丈夫かな」など様々な不満や不安が出てくるケースもあります。

また、前述したように子育て等も落ち着く世代であるため、自身の将来と向き合う時間が作れ、その結果新しい業界への転職を検討する方もいるでしょう。

3.スキルを身につけたり、活かしたりできる職に就きたいから

また、現在の環境に何かしらの不安や不満を持っている場合、「今のスキルを活かせる仕事に就きたい」「新しいスキルを身につけたい」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

まず、「今のスキルを活かしたい」という方は、例えば前職で身につけたコミュニケーション能力や視野の広さ、柔軟性などのようなスキルはもちろんですが、家事や子育ての中で身につけたスキルも活かすことができるのが介護業界です。そのため、未経験でも日常的に培ったスキルを活かせるという点で介護業界を選ぶ方も多いのです。

次に「新しいスキルを身につけたい」についてです。以下のグラフは法務省が公開した「令和2年度介護福祉士受験者数の年齢別割合」です。
※ 出典:法務省 介護福祉士国家試験の受験者数(年齢別)
介護福祉士

このことから、介護福祉士の受験を40代でする人が最も多く、全体の4分の1以上を占めているとわかります。
もちろん、介護福祉士の試験には受験資格がありますが、介護業界は40代からでも新しいスキルを身につけることができるという点で、転職先として選ばれやすいと考えられます。

40代から介護業界への転職、メリット・デメリットは?

ここまで、介護業界への転職理由について解説をしてきました。40代からの転職が可能であることはわかったものの、40代で介護業界で働くメリットやデメリットが気になるのではないでしょうか。

ここからは、40代で介護業界に転職をするメリット・デメリットを解説します。どちらも把握したうえで、自身のキャリアプランやライフプランと大きな相違がないか比較してみてください。

40代で介護業界に転職するメリット

まずメリットからお伝えします。40代から介護業界に転職をする主なメリットは以下の3つです。
1.自身のライフスタイルにあわせた働き方ができる
2.今までのスキルや経験を活かせる
3.40代からでも資格やスキルの取得ができる

1.自身のライフスタイルにあわせた働き方ができる

介護施設や事業所には、入所施設や通所施設、訪問事業所などのさまざまな種類があります。
また、正規職員だけでなくパート、アルバイトなどの非正規職員や派遣社員も多く活躍しており、自分の生活リズムに合わせて働くことができる職場であることがわかります。

例えば、子どもに手がかからなくなり夜勤も対応できるのであれば、給与も高い入所施設の正規職員という選択もできます。
一方、まだ子どもが小さく学校や保育園に通っている数時間の間だけ働きたいという場合には、施設のパート勤務や訪問介護の登録ヘルパーという働き方をする方もいます。

このように、転職希望者の生活に合わせて働き方が選べることが、介護職へ転職するメリットの1つといえるでしょう。

2.今までのスキルや経験を活かせる

40代は、さまざまな経験を積み、しかも体力的にも充実している年代であるといえます。
介護職は、利用者の生活を支える仕事であるため、多くの場面で積み重ねてきた経験を活かすことができます。

自宅等を訪問して介護サービスを行う訪問介護では、料理や掃除などの家事援助を希望する方も多く、家事遂行能力が大いに役立ちます。
また、接客業や営業職などの経験は、利用者との円滑なコミュニケーションの実現に役立つと考えられます。
事務職や技術職の経験は、レクリエーションで使用する道具を作ったり、行事のお知らせ文書を作ったりするときに役立ちます。通所施設であれば、送迎業務でタクシー運転手などの経験を活かすことも可能です。

もちろん、同じ介護業界からの転職であれば、身につけたスキルと経験から適切な対応をすることが可能でしょう。 入所施設から通所施設への転職では、介護度の高い利用者への介護経験が活かせる機会も少なくありません。
例えば、介護度に応じた適切な対応方法を指導する立場につける可能性も高くなるでしょう。

このように、介護職は40代までに培った様々なスキルを活かして働くことができると言えます。

3.40代からでも資格やスキルの取得ができる

先述したように、介護業界は年齢にかかわらず必要な要件を満たしたうえで受験し、合格すれば資格の取得ができます。また、実務経験の中でも介護スキルやコミュニケーションスキルなどを身につけることができます。

これらのスキルは、介護業界でのキャリア形成としてはもちろんのこと、将来的に身近な方の介護が必要になったときにも活かしていけるスキルとなるでしょう。

40代で介護職に転職するデメリットや不安な点

一方で、40代から新しい業界に入るという点でもちろん不安な点やデメリットもあります。
しかし、前提として介護業界は社会的なニーズが高まっている業界です。そのため、国としても様々な施策を取り入れており、従来のイメージからは大幅に変化を遂げています。

40代から介護業界に転職をするデメリットは以下の通りです。
1.0から仕事を学び直す必要がある
2.身体介護が体力的に長く続けられるか不安
3.給与が下がる場合がある

1.0から仕事を学び直す必要がある

これはどの業界に入ってもそうですが、40代未経験で新しい業界に転職をする場合、今までの常識だけでは通用せず、新たに業務内容や業界ならではの知識などを学び直す必要があります。

学び直しだけであれば特に抵抗がない方もいらっしゃると思いますが、教えてくれる先輩が介護業界での経歴は自分より長い、年下である可能性も視野に入れておいてください。
人生経験では、ご自身のほうが長くても介護業界での経験や、その事業所での経験は年下の職員のほうが長いというケースも少なくないため、年下の上司から学ぶ際も、謙虚さを忘れないようにしましょう。

2.身体介護が体力的に長く続けられるか不安

介護職に転職をするうえで不安に感じやすいのは、移乗介助などを伴う身体介護でしょう。たしかに、利用者さんを持ち上げて移動の介助をしたり、利用者さんの体重を支えたりする仕事は体力的に負担のある仕事であることは事実です。

一方で近年、介護施設ではリフトなどの機械や、介護ロボットなどを導入し、介護職員の身体的負担を軽減する体制を整えています。
国も介護ロボット等を導入した施設に対し補助金を支給するといった支援策を実施していることから、今後さらに身体的負担軽減の対策も充実していくと考えられます。

3.給与が下がる場合がある

厚生労働省の調査によると、介護職全体の平均給与額(月額)は、31万7,540円で、年収に換算すると381万480円です。※1

一方、国税庁の調査によると、民間企業で働く全従業員の平均年収額は、458万円です。※2

このことから、介護業界は民間企業で働く全従業員の給与額と比較し、やや低い傾向があるとわかります。しかし、40代からの転職の場合は介護職員としてスタートを切る場合もありますが、管理職としてスタートする場合もあるため、一概に下がると決めつける必要はありません。
※1 出典:厚生労働省 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果
※2 出典:国税庁令和4年分 民間給与実態統計調査

介護業界で働くイメージを持とう!

ここまで、40代からの転職事情について見てきました。
しかし、知っておくべきなのは転職事情だけではありません。実際に働き始めてからの環境も知っておくことで入職前後のギャップが少ない状態で働き続けることができます。

40代での転職におすすめの事業所や施設形態

まずは、事業所や施設ごとに異なるサービス形態についてです。
フルタイムで働きたい・主な収入源にしたい・空いている時間で働きたいなど40代の方は特にライフスタイルによって希望の働き方も異なると思います。

ここからは、40代の方におすすめの事業所や施設の形態を紹介します。

1.訪問介護

利用者さんの自宅を訪問して掃除や料理、洗濯などの生活支援や、入浴や排泄の介助などのサポートを行います。ヘルパーとして1人ですべて行うためには、初任者研修以上の資格が必要です。

おすすめポイント
・生活で培ってきた家事遂行能力を活かしやすい
・利用者さんと1対1で対応することも多く、コミュニケーション能力が活かせる
・雇用形態を選べる(時間の融通が利きやすい)
・サービス提供責任者を目指すなどキャリアアップが狙える  

上記のように、訪問介護は午前だけ、午後だけのように時間に制限がある方や、自身の家事スキルを活かしたい方などにおすすめのサービス形態です。

2.通所施設(デイサービス、デイケアなど)

介助・介護を必要としている方が、自宅での生活をベースにしながら、施設に日中通って食事や排泄などの生活上のサポートや、リハビリを受けることができる施設を通所施設といいます。 通所施設では利用者へ食事の提供や、入浴や排泄などの介護、施設と自宅間の送迎などを介護職が担当します。入所施設に比べると、要介護度が低い方が多いため、全面的な介護を行うことは少なく、できないところを一部手伝う場合が多いでしょう。

また、入浴設備を持つ施設では、入浴サービスを利用するために通っている方もいます。
介護度が低い方でも入浴することに不安を抱えているケースや入浴動作に支援や見守りが必要なケースは少なくありません。そのため、通所施設の入浴サービスでは、背中を流したり、浴槽の出入りのサポートをしたりといった介助作業を主に行います。
入浴介護であっても入所型施設と比較し、身体的な負担は比較的小さいといえます。

おすすめポイント
・勤務時間、休日が規則的になりやすい(24時間体制ではないため)
・経験を活かせる機会が多い(レクリエーションなど)  

未経験で、入所型の介護施設に不安がある方は、まず通所型から慣れていくのもよいでしょう。

3.入所施設

入所施設というのは、介助や介護を必要とする方が施設に入居し、施設内でサービス提供を受けることのできる施設です。入所施設にはさまざまな種類がありますが、特別養護老人ホームといった介護保険施設では、入所者の多くが常に職員の介護を必要としています。

24時間体制でサポートをしていくため、介護の技術や知識を学ぶ場面が多く、介護職としての経験を積んでキャリアアップするための基礎を作れる環境といえるでしょう。

おすすめポイント
・働き方を選べる施設が多い(雇用形態も様々で夜勤専従などの働き方もある)
・託児所を併設しているところが多い(夜勤中の対応や病児対応)

他の2つと比較すると要介護度が高い利用者さんが多く、24時間体制のため負担も大きく感じるかと思います。一方で、その分の経験値を積むことができるので、介護業界で早く経験を積みキャリア形成を目指していきたい方におすすめです。

■介護業界の働く時間や雇用形態はさまざま

このように、介護業界にはさまざまな施設形態があり、それぞれ働く時間や雇用形態にも違いがあるのです。

施設にもよりますが、正規職員は夜勤がほぼ必須であったり、パートやアルバイト職員の欠勤時などに柔軟な対応が求められたりします。子育てなどとの両立を目指す方は、まずパートやアルバイトからスタートし、資格をとりながら慣れてきたら正規職員を目指すというのも1つの策でしょう。

40代介護職の給与はどれくらい?

転職を考えた際に、働き方や勤務地以外に気になるポイントとして収入があると思います。特に、働き盛りといわれる40代は「今まで通りの生活水準を維持できるか」「子どもの教育資金を抜かりなく用意できるか」など、お金についてもより細かく確認していきたい年代でしょう。

ここからは、一般的に「低い」と言われている介護業界全体の給与事情を見たあとに、40代介護職の給与事情も見ていきましょう。

■介護職の給与は、年々上がっている

介護職員給与

出典:厚生労働省 平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果
出典:厚生労働省 平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果
出典:厚生労働省 令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果
出典:厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果
出典:厚生労働省 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果をもとに作成。

上記グラフからもわかるように、介護業界の平均給与は年々上昇しています。この背景には、「介護職員等処遇改善加算」という国の動きがあったり、事業所によっては介護保険内で実施できるサービス以外(介護保険外サービス)にも手を伸ばし、職員の処遇改善、離職防止に励んでいるという実情があります。

たしかに、身体介護などの負担を考えるともう少し給与が欲しいという声があがる気持ちもわかりますが、介護業界全体は国の力も借りながら発展しているといえるでしょう。

■40代介護職の平均給与額は31万円以上

全体の給与事情が分かったところで、40代に絞ってもう少し細かく見ていきましょう。
厚生労働省の調査によると、40代の平均月収は男性で359,180円、女性で318,630円といずれも31万以上であることがわかります。※1
これを年収に換算すると、男性で431万160円、女性で382万3560円となります。

一方で、全産業の年齢別給与を見ると、40代の男女合計平均が333万7000円であるため、40代介護業界の平均給与は全産業40代給与の平均と比較して、高いといえます。※2

この背景には、夜勤があることや、全世代平均には65歳以上の労働者も含まれており介護業界は他産業より65歳以上の労働者の割合が大きく、労働できる時間が短いため給与が下がることなども挙げられますが、介護業界に転職をしたからといって大幅に給与が下がると思い込む必要はないと思います。

※1 出典:厚生労働省 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果
※2 出典:厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査の概況

■介護業界で給与アップを狙うには?

ここまで、介護業界の平均給与について説明してきました。しかし、すでにご存知の方が多いと思いますが、平均給与はあくまで全体の平均であるため、その中には給与が高い人と低い人に分かれているのも事実です。

では、介護業界で給与アップを狙うにはどのような方法があるのでしょうか。

介護業界で給与アップを狙う方法
1.夜勤に入る
2.介護の資格を取得する
3.同じ施設で長く働く

1.夜勤に入る

夜勤は法律上「深夜勤務」という扱いになるため、基礎賃金の25%以上を夜勤手当として割り増しして支払う義務があります。
そのため、体調面や家庭の事情を考慮したうえで問題なく、給与アップを最優先に目指したいという方であれば、夜勤に入ることが給与アップへの近道となるでしょう。

2.介護の資格を取得する

介護給与 資格別

出典:厚生労働省 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 をもとに作成
長い目でみて、給与アップを狙うのであれば資格取得を目指しましょう。
厚生労働省の調査によると、保有資格なしの平均給与(月額)が26万8680円なのに対し、保有資格ありの平均給与(月額)は32万540円と約5万円も月給に差があります。

また、初任者研修と介護福祉士でも約3万円の給与差があるため、介護業界で給与アップを目指すのであれば介護福祉士以上の資格は目指していけるとよいでしょう。

補足:40代から介護業界に転職するうえで取っておきたい資格

1.介護職員初任者研修
→無資格、未経験でも取得できる資格です。 1から介護職に必要な知識や技術を学ぶことができるので、スキルアップをめざす一歩としても有用な資格です。 訪問介護のヘルパーとして働くためにはほぼ必須の資格といえるでしょう。

2.介護福祉士実務者研修
→初任者研修と同様に、無資格、未経験でも取得できる資格です。 初任者研修よりも専門的な知識や技術を学び、資格取得ができます。
介護福祉士資格を取得するためには、実務者研修の資格が必須です。 ただし、初任者研修よりも取得に時間がかかるため、未経験者の場合は初任者研修がおすすめです。

3.介護福祉士
→介護職の国家資格です。 3年の実務経験と実務者研修の修了で受験資格が得られます。
介護福祉士を取得することで、仕事の幅はぐんと広がり、その後のキャリアアップにもつながります。 介護職を続けていくのであれば取得しておきたい資格といえるでしょう。

3.同じ施設で長く働く

また、昇給がある場合は同じところで働いた方が年収は上がります。

介護職の場合、同じ法人で複数の形態の施設や事業所を持っているところも少なくないため、今の職場が合わないと感じた時には異動を考えることで、昇給や昇進の可能性を高めることにつながります。

40代未経験からスタートした場合のキャリアプラン

未経験で40代からスタートした場合、キャリアプランの立て方に迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
40代未経験でスタートした場合のキャリアプランについても見ていきましょう。

1.管理者を目指す

まず1つ目は、介護職員として経験を積み、施設や事業所の管理者になるプランです。

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、デイサービスなどの場合は、管理者になるための資格要件はありません。 そのため、その事業所で現場経験を積み適任と思われる場合や、介護福祉士を取得することで管理者に抜擢されることも少なくありません。

また、前職で管理職経験等がある場合、その経験やマネジメント能力が買われて管理者として抜擢される場合もあるでしょう。

2.サービス提供責任者になって訪問介護のスペシャリストになる

2つ目は、サービス提供責任者になって訪問介護のスペシャリストを目指すプランです。

訪問介護事業所の責任者であるサービス提供責任者は、実務者研修修了もしくは介護福祉士資格を取得していればなることができます。 ヘルパーとして活躍しながら資格を取得するのであれば、訪問介護の仕事を熟知したサービス提供責任者となれるでしょう。

施設等で介護経験を積んだ後で、訪問介護事業所に転職する場合は、介護度の高い利用者に対する介護技術や知識を十分に得たサービス提供責任者として活躍できるでしょう。

3.ケアマネジャーになって介護保険サービスの調整役となる

3つ目は、ケアマネジャーになって介護保険サービスの調整役となるプランです。
ケアマネジャーは介護に関する相談を受け、介護サービスを必要とする方に必要なサービスを一緒に考えて調整する役割を担っている介護保険制度では欠かせない存在といってよいでしょう。

ケアマネジャーになるためには、介護福祉士資格を取得したうえで5年の実務経験が必要です。 介護未経験者がケアマネジャーを目指す場合、まず介護福祉士資格取得を目指しましょう。 介護福祉士になるためには、まず3年間実務経験を積んだのち、実務者研修を修了し、試験を受ける流れが一般的です。

つまり、未経験者がケアマネジャーになるまでには最短で8年かかります。しかし、ケアマネジャーは50代以上で活躍している方も少なくありません。
40代未経験から介護職を始めても、ケアマネジャーとなれば長く活躍できる可能性は高いでしょう。

コラム:家庭と両立しながら働くときのキャリアプランとは?

■執筆者/専門家

大庭 欣二

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/11

福岡福祉向上委員会 代表 外資系コンピューター会社の営業、父親が営む会社の経営見習いを経て、2002年に35歳で福祉の世界に入り、14年間で2つの社会福祉法人の経営に携わる。 新規事業立ち上げ・組織づくり・職員育成・労働環境改善を行い、職員の労働満足度を向上させ、離職率の劇的低下を実現する。

—介護職を取り巻く環境はどんどん良くなっている

「40代で家庭と介護職の両立を考える方は何を意識すればよいでしょうか?」

私自身はこの5~6年で介護職を取り巻く労働環境は大きく変化をしていると感じます。
以前の介護事業所の中には、言葉を選ばずに言うと、介護職の良心に漬け込み、ボランティア残業なるものも横行していました。

しかしながら、経営者や労働者の意識の変化により、家庭と介護職の両立はやり易い状況になったと言えます。 早出・遅出・夜勤などへのシフトへの配慮も、以前とは比べ物にならないくらい進んでいます。

—自分の気持ちの割り切りも大切

ただし、ここで留意しておきたいのは、自分自身の気持ちの割り切りです。

「他の職員にシフトのしわ寄せが行ってないか」「夜勤の回数が私のせいで増えているのではないか」このようなことを考えてしまいがちな方や、それを感じさせてしまう職場の雰囲気は、ご自身の心に大きく影響を及ぼします。

もし気になる場合には、デイサービスや訪問介護など、比較的時間の融通がききやすい事業種別への異動や転職も考慮に入れるのも選択肢の1つだと思います。

—最終的にどんなキャリアを歩みたいか?は考えておいて

また、40代は家庭環境の変化等により、時間の制限なく働けるようになって、キャリアを重ねても遅くはないケースが多いです。

そして、両立が大変な状況のときはゆっくりと考える余裕はないのかもしれませんが、私は最終的に何を目指すのか?そこに到達するには何が必要なのか?など、常にご自身の5年後、10年後のイメージはぼんやりとでも描くことをおすすめします。

例えば、ケアマネージャーを目指す場合は時間を作り、こつこつと勉強を開始するとか、管理職を目指す場合はオンラインでマネジメントセミナーを受講するなど、隙間時間を活用することで、ご自身が描くキャリアプランへの到達が早くなります。

40代も大歓迎、そしてチャンスも多くあり、労働環境も整いつつある介護業界へ、是非とも飛び込んでみてください。

きっと、今までと違う景色も見えるはずです。
そのチャレンジを応援しています。

転職で職場を選ぶ際に確認したいポイント

ここまで、転職事情と介護業界の実情について確認してきました。
最後に、事業所や施設を選ぶうえで確認しておきたいポイントについて説明します。

しっかり確認し、後悔のない転職を行いましょう。

1.夜勤の有無

入所型施設で勤務する介護職は、ほとんどの場合シフト制となっています。夜勤を避けたい、土日は休みたいなどの希望がある場合、自分の働きたい時間での勤務が可能かは必ず確認しておきましょう。

夜勤が難しい場合には、24時間体制の入所施設より通所施設や訪問介護対応施設が無難です。
ただし、入所施設でも雇用形態や家庭の事情によっては融通が利く場合もあります。

2.資格取得制度、研修制度の有無

また、資格取得制度や研修制度が充実しているかどうかも、転職時には確認しておきたいポイントのひとつです。

特に、無資格で転職する場合は、仕事をしながら資格を取得することになります。
休みがとりやすいか、資格取得のための支援制度があるかどうかを確認しておくようにしましょう。
面接で確認することは、資格取得に向けた意欲を見せるチャンスにもなります。確認しておきましょう。

3.状況によっては子育て支援の有無も確認

さらに自分の現状に応じて、子育て中なら、子育て支援が充実しているかの確認は必ずしておきましょう。

夜勤がある施設では、子どもを預けられる施設がある場合や、一定の年齢になるまで夜勤が免除されるケースもあります。託児所を併設しているのであれば、託児所の費用も聞いてみるとよいでしょう。

事前に確認しておくことで、安心して家庭と仕事を両立することができるでしょう。

4.まずは職場を見学してみましょう

可能であれば職場を見学させてもらうと、職員や利用者さんの様子や職場の雰囲気が確認できます。

職員が生き生きとしている、利用者の方々の表情が明るく笑顔が多い施設であれば、未経験でも働きやすい可能性が高いと考えられます。

施設見学を行う際は、以下のポイントは最低限確認するようにしましょう。
・職員と利用者さんの関係性
・職員間の関係性
・利用者さんの要介護度
・施設の清潔感や安全性

まとめ:40代未経験でも、活躍できる!

40代は、たとえ子育て中であっても人生設計がある程度見えてきている時期です。
将来の自分の生き方を考え始める年代であるともいるでしょう。

今後の人生設計をするにあたり、意識しておきたいのが、「何を大切にして仕事選ぶのか」ということと「どういった働き方をめざすか」という点です。

もし、仕事でキャリアを積んで専門的な知識とスキルを身に付けたいというのであれば、資格取得を視野に入れる必要があります。
このように、40代の転職活動では自分の目標を定めたうえで自分に合う職場を選ぶことが大切です。

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介護職が行う自立支援|4つの基本ケアや実際の取り組みについて解説!

自立支援介護とは、介護が必要になった高齢者が、可能な限り自分の力で生活できるように支援する介護のことです。高齢化が進む日本において、デイサービスなどを提供する介護施設でも近年、自立支援介護は注目されています。この記事では、自立支援介護の4つの基本ケアや実際の取り組みについて専門家が解説します!【執筆者/専門家:古畑 佑奈】


介護施設で年末年始にできるイベント|クリスマス会や忘年会の準備のポイントを解説!

介護施設で年末年始にできるイベント|クリスマス会や忘年会の準備のポイントを解説!

年末年始は、クリスマス会や忘年会などさまざまなイベントが行われる時期です。介護施設でもこれらのようなイベントを実施すると、利用者さんたちの活力を高めたり、親睦を深めたりする良い機会になります。この記事では、年末年始のイベントを企画するにあたって準備したいこと、当日取り入れられるレクリエーションなどを紹介します。【執筆者/専門家:後藤 晴紀】


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