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退職報告、どう伝える?介護職が退職する時の流れと注意点を解説

退職報告、どう伝える?介護職が退職する時の流れと注意点を解説

退職時のポイントは「立つ鳥跡を濁さず」。狭い介護業界だからこそ、最後まで理性的に退職しましょう。 退職意思や退職理由の伝え方のポイントをご紹介します。 【回答者:大庭 欣二】


本日のお悩み/退職意思を伝えるポイント・退職理由の伝え方

スキルアップのために転職活動をしていて、転職先が決まりました。ただ、今の職場に辞めるということを伝えるタイミングに迷っています。また、次も近くの施設なのであとくされなく退職したいのですが、良い方法を教えてください。

辞める時も美しく。これからの繋がりの為にも。

回答者

スキルアップを目指した転職が決まったとのこと、おめでとうございます。
辞める職場、これからの職場、どちらも大切にされることをおすすめいたします。

狭いこの業界、しかも近くの施設であればなおさらですね。
これからもお仕事の中で、繋がる可能性も十分にあります。

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退職時のポイントは「立つ鳥跡を濁さず」

「立つ鳥跡を濁さず」ということわざを聞いたことがあると思います。
退職をする立場、退職をされる立場、私自身も双方を経験したことがありますが、この言葉は、退職をする立場の方が、他でもない自分自身のために意識をしていただきたい言葉です。

退職理由のほとんどは、職場への不満が原因

退職をする理由は千差万別。前向きなチャレンジをするための退職もあれば、今の職場に不満を抱き、退職をされるケースもあるでしょう。
退職理由として、「給与が低い」「職場の人間関係」「労働環境」などが、毎年のように上位に挙げられています。つまり、「前向き」よりも「不満」が退職の引き金となっているわけです。

不満を持って退職される際には、いろいろな感情が交錯し、すぐにその場を去りたい方も少なくないと思います。すると、「感情」が「理性」を上回り、美しくない辞め方をしてしまい、職場に迷惑を掛けるだけでなく、退職者自身の評価を大きく貶めることになりかねないのです。

狭い介護業界だからこそ、最後まで理性的に

この業界はとても狭い業界です。さまざまな多職種の方々が繋がりを持ち、関係性を保ちながら仕事をしています。

「感情」に任せた退職をされた方と、一緒に働きたいと思う方はいるでしょうか。そのような方に介護をしてほしいと思う方はいるでしょうか。
私は退職されるときにこそ冷静になり、今後の自分自身の為にも理性的なふるまいをしてほしいと考えます。

まずは就業規則を確認しましょう

退職を決意したとき、まずは、現施設の就業規則をご確認ください。
退職届は、退職何ヵ月前の提出になっているでしょうか。
多くの施設では、1ヵ月前や2ヵ月前と明記されていることが多いです。

民法上では「期間の定めのない雇用契約の場合は、退職(辞職)の2週間前までに、会社に対して退職(辞職)することを伝えなければならない」となっており、施設の就業規則よりも民法が優先されますので、法的には2週間前の通知での退職も可能です。

「あとくされなく」退職するためには?

ただし、「あとくされなく」となると、話は変わります。
まずは就業規則に沿った退職届の提出が好ましいでしょうね。
それから、シフトの作成の締日や引き継ぎのことも考慮に入れた方が良いと思います。

現在の介護業界の状況から、上司や同僚に引き止められることも十分に考えられます。
転職の意思が固く、転職先の雇用日が決まっているのであれば、「○月○日付で次の仕事を開始する。」ということを明確に伝えた方が良いと思います。

「伝えるタイミング」と「まず誰に伝えるか」も大切です。
就業規則の定める日の前、かつシフトとや引き継ぎを考慮した日程で、直属の上司に口頭でお伝えし、日を置かずに退職届を提出するという感じではいかがでしょうか。
いきなり退職届を出すというのは、少し心象を悪くする可能性もあります。

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退職を決意した後の、具体的な流れはこちら

では、退職の意思がゆるぎないという想定で、具体的に考えていきましょう。自分自身が逆の立場だったら、どう感じるかを考えて行動することもお勧めです。

転職することを伝えるタイミングは?

まずはタイミング。
就業規則に合わせるのはもちろんですが、シフト作成や引継ぎ、ご自身の有給休暇の取得を考えると、2~3か月前がいいかもしれませんね。
ただし、早ければ早いほど良いというわけでなく、ご自身の居心地も考慮に入れてよいと思います。

退職の意志は、誰に伝える?伝える内容は?

私はまずは一番信頼のおける先輩や上司に、直接口頭で伝えてはと思います。
LINEやメールではなく、直接伝えるのがポイントです。

その際、以下の内容を伝えましょう。相手に、退職に関する「良き理解者」になってもらうことが大切です。

・退職の意向
・辞める時期
・理由(これは全てを正直に言わない方が良いこともあります。大人の対応を心掛けましょう。)
・これから正式な退職プロセスに入っていくこと
・意志は固いこと

その後は職場のルールに沿って退職の手続きを

あとは、その理解者に相談しながら、職場のルールに則って、「退職届の提出」などの退職のプロセスを一つずつこなしていくだけです。
どのように周りの方へ伝えるのか、利用者さんに使えるかどうかも、まずは職場のルールに従いましょう。

どうですか?そんなに難しくないですよね。自分自身も職場も不快に感じず、円満な最後を迎えられそうではないですか。

退職理由の伝え方

悩ましいのが「退職の理由」をどう伝えるか。
今回のケースでは正直に「ご自身のスキルアップ」と伝えてもいいと思います。
理由によっては、正直に言うと角が立つ場合もありますが、このケースは施設への不満や人間関係ではないので、ありのままで問題ないと思います。

感情に任せて無責任な退職方法をとるのは損

退職される際に、感情に任せて、「後足で砂をかける」ように退職される方、「後は野となれ山となれ」とばかりに無責任に辞める方は、実に多くいらっしゃいます。
その時はすっきりとするかもしれません。でも、長い目で見た時に、損をしているのは自分自身だったりします。

「辞める時こそ、理性をもって。」これが自分自身の幸せにも繋がると、私は信じています。

最後に例外を。
事業所に著しく瑕疵(あやまち)がある場合はその限りではありません。しかるべき機関に相談の上、速やかに機関の指示に従った行動をとることをお勧めいたします。

輝かしい未来を願っております。

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【参考】面接のときに退職理由を聞かれたら? 状況に応じた退職理由の伝え方を紹介

採用面接の際に前職の退職理由を聞かれることは一般的と言えるでしょう。
ただ、正直に言い過ぎると、前職への批判になるだけでなく、コンプライアンス上の問題が生じる可能性もあります。
また、言い方によっては、採用面接における印象も大きく損ねることもありますので、注意が必要です。では、どのような伝え方をすればよいのでしょうか。

「ポジティブ変換」と「アイメッセージ」の活用がおすすめ

「ポジティブ変換」とは、使う言葉を「肯定的」「積極的」「楽観的」に変えることです。
ポジティブの対義語は「ネガティブ」。「否定的」「消極的」「悲観的」という意味合いです。
ネガティブな言葉をつかわずに、頭をポジティブな思考に切り替え、
ポジティブな言葉を使うことが有効です。

そして、もう一つの「アイメッセージ」。
主語を「私」にし、「私はこう感じた」とか「私はこう思った」という
伝え方をします。そうすると、表現が柔らかくなり、相手への配慮も感じられます。

状況に応じた退職理由の伝え方の例

1.「労働条件(労働時間等)がよくなかった」という退職理由の場合

「私はしっかりと仕事をこなすためにも、自分の余暇の時間も大切にしたかった」
「私自身が理解していた労働条件と異なっていたので戸惑いを感じた」等 の表現はいかがでしょうか。

2.「人間関係が上手く行かなかった」という退職理由の場合

「私自身が楽しく仕事をすることをモットーにしている」
「私は介護の仕事ではチームワークを大切に考えている」等は、
前職の批判にはならず、一緒に働きたいなと思ってもらえるのではないでしょうか。

3.「ケアの方針に違和感があった」という退職理由の場合

「自分自身の介護観を大切にしつつ、組織と同じ方向を向いて仕事がしたい」
「私は御社が掲げるようなケア指針の下で働きたいと感じた」と伝えると、
印象は随分と異なると思います。

4.「給料が低かった」という退職理由の場合

さまざまな理由で低かったと考えられますが、
組織全体が低かった場合は「これからの人生設計を考えて、御社の条件に魅力を感じた」と
伝えると前向きに感じますね。

自分自身への評価が厳しく、なかなか給与が上がらなかった場合は
「私は実績や成果などをしっかりと評価してもらえる組織でチャレンジしたくなった」
「頑張れば報われる組織で働きたい」という表現は積極性を感じますね。

以上のように、「ポジティブ変換」と「アイメッセージ」を意識してみましょう。
ただ単に意識して表現するだけでなく、思考も変えていく必要があります。

これらが有効なのは、採用面接のときだけではありません。
さまざまなことを考えるとき、人を批判したくなったとき、反対意見を伝えるとき等、
「ポジティブ」な思考と言葉で、「私」を主語に伝えてみてください。
相手との関係性も変わっていくかもしれませんよ。

採用面接もこの2つの活用で良い結果が出ることを願っています。

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【退職準備】円満退職するために 内定をもらう前から準備しよう | ささえるラボ

https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/25

退職には一定のルールがあります。円満退職に向けて、これまでお世話になった職場に感謝の気持ちを示しながら、誠意をもって進めていきましょう。転職後も元同僚との人間関係を良好に維持しておくことは自分の将来に役立ちます。

この記事のライター

福岡福祉向上委員会 代表

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