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47歳未経験、施設のにおいや音が不安で介護への再就職をためらっています…

47歳未経験、施設のにおいや音が不安で介護への再就職をためらっています…

【回答者:伊藤 浩一】自分を大事にできるテクニックも介護職の重要な要素です。


本日のお悩み

47歳男です。2020年から市内の特養で働き始めました。
しかしあっという間に適応障害になってしまい、2週間で退職してしまいました。

そこでは殆ど仕事を教えてもらえず放置状態で
職員の利用者に対する対応がひどく、とても嫌な気持ちになりました。
たった2週間で、施設での排泄や漂白剤の臭い、音が夜寝るまで鼻や耳から離れなくなってしまい、更に感情が不安定になってしまいました。

その後、別のところに一度就職したものの上手く行かず、もう一度介護に…と考えたものの、一度そういう理由で辞めているためにどうしても不安がありました。
医師からは「においの記憶は強く残るもので、私のように感情移入しやすい人には治る見込みのない人の介護という現場は、本当に鬱病になりかねないので止めたほうが良い」と言われました。

デイサービスのような職場なら、においについてはそこまで無いのではないかと勝手に想像するのですが、いかがでしょうか。
私のような、感情移入しやすい人間には向いていないものでしょうか。
47歳未経験からできる福祉の仕事というのは、他にあるものでしょうか。

相談者:シロカメ さん

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自分を大事にできるテクニックも介護職の重要な要素です。

ご質問ありがとうございます。
まずは、転職後、初めてお勤めになった特養で体調を崩してしまったとのこと。
せっかく転職いただいたのに嫌な思いをされ、同じ介護業界で働く者として申し訳なく思います。
そして、それでも介護で働きたいとのお気持ちを持ってご質問いただいたことに重ねてお礼申し上げます。

今はドクターの指示を守りましょう

さて本題です。
現在、心療内科を受診され、ドクターより「介護の仕事は止めたほうが良い」との診断をうけているのであれば、今、介護の仕事に就くべきではないと思います。

そもそもなぜ、質問者さんは介護の仕事に就きたいと思われたのでしょうか?
最初に体調を崩すまでの辛い思いをされたにも関わらず、再度チャレンジしようという思い、こだわりが残念ながら質問の文脈では読み取れませんでした。

実は、この思い、動機こそが介護の仕事、福祉の仕事をする上で重要と私は考えています。

確かに、最初の特養さんで入職時に放っておかれてしまったこと、入居者の対応に幻滅してしまったことは、施設の落ち度だったでしょう。
しかし、漂白剤や排泄の匂い、音についてはまた別物のように感じます。
どんな業界でも、バックヤードの匂いや音はつきものです。
それはどの業界も特有のものがあると思いますので、自分が適応できるかどうか?優しく言うと向いているかどうかは個人の感覚次第ですよね。

そして、この適応に関しては、その時の体調もあると思います。
体調が悪ければ、つまり、マイナス思考が強いタイミングでは、普段ならあまり感じないものに関しても気になってしまう、更には負の感情で気になってしまうことが多いのではないでしょうか?
質問者さんの体調は今、決して良い状態ではなく、それをドクターから指摘されていると客観的に推測いたしました。

介護職自身が元気であることも重要です

介護の仕事は、みなさんテクニックばかりに目が行きますが、私は体調管理がまずプロフェッショナルでなくてはならないと考えています。
なぜなら、介護職に元気がない状態で利用者さんに接したら利用者さんも不安になりますよね。
また、介護職に笑顔がなかったら、利用者さんも真顔になりやはり不安になります。
これはミラーニューロン(別名:物まね細胞)という細胞が影響しており、介護職の顔が鏡となって利用者に伝わるという科学的な事象です。

まだ47歳。焦らず自分を大切に!

質問者さん、介護の仕事は、ドクターの診断を理解することも大事です。
ドクターの指示で利用者さんのケアをする場面が多々ありますから。
今は、体調を整えることに専念され、そして、なぜ介護の仕事になぜ就きたいのか?その動機を内省する時間をとってみてはいかがでしょうか?
まだ、47歳です。私の施設では70歳でも現役で若者に負けないフットワークで働いている方がいますよ。

焦らずにまず、ご自愛ください。
自分を愛する(大事のする)というテクニックも介護、福祉職の大事な要素です。
自分が良い状態でないと相手のことを考えられませんから。

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この記事のライター

茨城県介護福祉士会副会長
特別養護老人ホームもくせい施設長
いばらき中央福祉専門学校学校長代行
NPO法人 ちいきの学校 理事
介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント
介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員 MBA(経営学修士)

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