マイナビ福祉・介護のシゴト
給料アップのために転職すべき?給料だけで転職を決めるのは危険?解説します

給料アップのために転職すべき?給料だけで転職を決めるのは危険?解説します

「給料を上げたいから」と言う理由で転職する介護職は多いでしょう。では、給料を上げるには本当に転職するのがベストな選択なのでしょうか?今の職場でもできる給料アップのポイントや、転職の際に気を付けるべきことを解説します。(執筆者:後藤 晴紀)


\あなたにぴったりの求人が見つかる/
「介護職員」の求人を見る

給料アップのために転職すべき?給料だけで転職を決めるのは危険?

後藤 晴紀

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/9

・けあぷろかれっじ 代表 ・NPO法人JINZEM 監事 介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士

一般的に、急に給与がアップするという事は稀なケースです。各法人では給与規定というものが存在し、基本的にはこの給与規定に基づいてこれまでの実績や職責によって報酬が支払われます。

特別交付金や処遇改善加算などが給与に反映される場合もありますが、基本給のベースを上げていく事も念頭にお伝えしたいと思います。

\あなたにぴったりの求人が見つかる/
「介護職員」の求人を見る

給与アップのため、転職以外にできることは?

1.資格取得を目指す

まずは就業規則をチェックしましょう

みなさんは今、どんな資格を持っていますか?

まずは事業所に設置されている就業規則を確認してみてください。
給与規定という項目があるはずです。そこには賃金の支払い方法や基本給の棒給表、各種資格に対する『資格手当』が記載されています。

資格手当の額は法人ごとに違う

代表的な資格手当の種類としては、初任者研修、実務者研修、介護福祉士、介護支援専門員などがあげられますが、その資格ランクによって、支払われる資格手当の額も変化します。
介護現場において、最も高い手当は介護福祉士国家資格を保有している人に支払われる手当でしょう。
その額も、所属する法人によって金額が変わってきます。

また、介護支援専門員の資格を持っていても、ケアマネージャーとしての業務を行っていなければ支給が無い、もしくは手当が減額されるなど、すべて給与規定に示されています。
まずはあなたの給与がどのような仕組みで支払われているのか確認してみましょう。

規定は事務所で保管されていて見ることができない場合は?

規定は事務所で保管されていて見ることができない場合についてですが、
実はこの就業規則は、従業員が自由に閲覧できるように周知されているものでなければならないものです。
管理者に申し出れば閲覧できるでしょう。

資格手当についてはこの記事もチェック!

【専門家が解説】介護職がもらえる資格手当とは?転職活動で給与を見る時の注意点 | ささえるラボ

https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/136

【回答者:後藤 晴紀】法人によって差があります!面接の際に遠慮なく質問しましょう!

2.キャリアアップにより、職位(職責)を高めていく

役職手当で給料を上げることも可能

先ほどの給与規定には、「役職手当」というものが定められています。
例えば、ユニットリーダーや主任、課長、マネージャー、部長、副施設長、施設長の役職であれば、その職責に応じた役職手当が支払われます。

今あなたが一般職員であるならば、上位の役職を目指してみましょう!

もちろんそのためには、一般職員の管理や指導、法人や事業所の理念や方向性を理解し、部下が同じ方向を向いて仕事ができるようにマネジメントしなければなりません。役職手当は、その責任とリーダーシップに対しての手当です。事業所からの信頼を得ていく必要がありますね!

キャリアアップのために今できることとは

では、キャリアアップのために具体的に何をすれば良いのでしょうか?

考え方としては、役職者になってからその能力を発揮するというよりも、一般職員として働いているときからあなたの働きを周囲に示していく必要があります。
同僚や後輩・先輩たちなどから、頼りになる存在と思ってもらえる働き方をしていくと事業所からの評価も高まります。

ぜひ経験を活かして、積極的に周囲の仲間たちの困りごとを解決してみましょう!

\あなたにぴったりの求人が見つかる/
「介護職員」の求人を見る

転職活動中、給料だけで転職先を決めるのは危険?

結論、めっちゃ危険!!です。その理由を解説していきます。

1.月額の額面が高くても、年収は下がる可能性がある

例えば、
基本給は低いが、各種手当や加算が多いので月収は高くなる。しかし賞与(ボーナス)支給額は少なくなる場合
(基本給100,000円 資格手当50,000円 賞与夏冬1.5ヵ月 月収150,000円 年収2,100,000円)

基本給は高いが手当が少ない。しかし賞与が高い場合
(基本給130,000円 資格手当10,000円 賞与夏冬2.0ヵ月 月収140,000円 年収2,200,000円)

これはほんの一例ですが、さらに差が開く場合も多くあります。
月収が下がっても、賞与や加算額で年収は上がるケースもあるので、月収だけで決めるのは危険です。

求人票に記載されている基本給や加算、賞与額などを参考に年収ベースで考えましょう。
また、生涯収入という観点から、退職金制度があるかどうかもチェックしておきましょう。

退職金制度についてはこの記事をチェック!

介護職にも退職金は出る?制度の仕組みや金額の目安を知っておこう | ささえるラボ

https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/567

将来や老後のことを考えると、あると安心な退職金。介護職も、勤務する事業所によっては退職金をもらえる可能性があります。退職金制度の種類や仕組み、介護業界の退職金事情、退職金の有無をチェックする方法を解説します。(コラム:大庭欣二)

2.人間関係や経営基盤が安定しているかも確認して

面接で内部の様子も確認しておきましょう

給与が上がるからと転職して後悔する方の多くは、新しく転職した会社の人間関係や事業所の運営方針に悩んでいます。
外から見たら綺麗な建物で新しいのに、内部の人間関係はぐちゃぐちゃで職員同士がギクシャク……。なんてことになるかもしれません。

経営基盤は大丈夫?目先の給料に惑わされないで

また、経営難で人手が欲しいという理由で、給与額を高く提示したものの、実際に支払いが遅れるケースも存在します。その場合、入職半年後に倒産なんてことにもなりかねません。

「それって違法では?」と思うかもしれませんが、実際に見られるケースで、労働紛争に発展することもあります。

目先の給与だけではなく、その法人が本当に安定しているのか、どのような事業所なのか、内部の様子はどうなのか等、ホームページでの下調べや情報収集、見学や面接の際にはしっかりと質問をして、納得のうえで入職してくださいね。

これから給与がアップしそうな転職先を見つけるためには?

幅広く事業を展開している法人がねらい目かも

小規模な法人よりも、大規模な法人が良いでしょう。
さらに、幅広く事業展開をしていて、事業所の数が多い転職先が望ましいのではないでしょうか。

先述した通り、スキルやキャリアアップをしていくためには、その役職の席が多ければ多いほどチャンスがあるということになります。当然、給与アップのチャンスも多くなるでしょう。

\あなたにぴったりの求人が見つかる/
「介護職員」の求人を見る

あわせて読みたい関連記事

介護職にとって良い施設・入職しないほうが良い施設を見分けるヒント、教えます! | ささえるラボ

https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/246

入職しない方がいい施設の見分け方とは?良い施設を見極めるには、生花や観葉植物に注目せよ!【回答者:伊藤 浩一】

介護職の人間関係、なぜ悪くなるの?人間関係が悪化する理由を考えます | ささえるラボ

https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/196

介護以外の仕事と比較すると?介護業界の離職の問題点は?理由は、スタッフの育成環境にある…?介護現場の人間関係が悪くなってしまう理由を解説します!【回答者:後藤 晴紀 】

介護職の転職でありがちな失敗例と、後悔を防ぐポイント5つ | ささえるラボ

https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/34

介護職の転職で失敗する原因は、職場に対する印象が面接時と入社後で大きく異なっていたことにあります。転職で失敗しないためにも、面接の段階で気になることは全て確認しておくことが大切です。(コラム:古畑佑奈)

\あなたにぴったりの求人が見つかる/
「介護職員」の求人を見る
マイナビ福祉・介護のシゴト 閲覧ランキング
【北海道・東北】
【関東】
【北陸・東海・甲信越】
【関西】
【中四国・九州・沖縄】

この記事のライター

・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事

介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士

関連する投稿


こんな「賃金カット」はあり得るの!?介護職員からのお悩みに社労士が答えます!

こんな「賃金カット」はあり得るの!?介護職員からのお悩みに社労士が答えます!

月に1回の欠勤や早退・遅刻で処遇改善手当をカットされてしまう… こんな賃金カットってありなんでしょうか? 介護職員からのお悩みに社労士が解説します! 【執筆者:社労士、山本 武尊】


人間関係の悩みで退職。こんな私が介護職として復帰しても大丈夫?

人間関係の悩みで退職。こんな私が介護職として復帰しても大丈夫?

人間関係の悩みで一度は辞めた介護職。こんな自分が介護職として再度、復帰しても大丈夫なのでしょうか?ー 介護職の方のお悩みに専門家がお答えします。 【執筆者:羽吹 さゆり】


介護職員 平均月給6,000円相当引き上げへ、専門家の見解は?

介護職員 平均月給6,000円相当引き上げへ、専門家の見解は?

2024年2月から介護職員に対し、1人あたり平均月給6,000円の賃上げを実施するというニュースを皆さんも耳にしたかと思います。 今回の施策に対して、なぜこのような施策を実施することになったのかという施策の背景と、施策に対する見解を伊藤先生にお伺いしました。


介護職の資格手当はどのくらいが相場?社労士が解説します!

介護職の資格手当はどのくらいが相場?社労士が解説します!

処遇改善以外にも、介護職の給与を増やすうえで、重要になる資格手当。これらの相場はどのくらいなのでしょうか?しかし、手当が高いからという理由だけで、よい職場と判断するのも危険です。法人から支給される給与がどのように決められているのかを理解することで、自分に合う職場が見つかる視点になるでしょう。【執筆者:社労士/山本 武尊】


社会福祉主事任用資格とは?取得方法やメリット、取得後の仕事内容を解説

社会福祉主事任用資格とは?取得方法やメリット、取得後の仕事内容を解説

社会福祉主事任用資格は福祉・介護業界の任用資格のひとつです。 資格の取得方法やメリット、取得後に就ける職種、仕事内容など、社会福祉主事任用資格に関する基礎知識を紹介します。【ささえるラボ編集部】


最新の投稿


【介護事業の経営難はなぜ?】介護職員や経営者に求められる対策とは

【介護事業の経営難はなぜ?】介護職員や経営者に求められる対策とは

介護事業者の倒産数が過去最多となったというニュース。超高齢社会の日本においてなぜ、倒産数が増えてしまったのでしょうか。 今後、事業所が生き残るために必要なことを専門家が解説します。 【解説者:後藤 晴紀/介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員・潜水士】


第107話 おやつ/ほっこり介護マンガ

第107話 おやつ/ほっこり介護マンガ

「介護職員・並木マイの ほっこり成長日記 ~転職して、介護の仕事はじめました~」 保険会社から介護の仕事に転職した、並木マイさん(31歳)の成長と 介護現場のあるあるを描く、ほっこり癒し系マンガ! 休憩時間、このマンガを読んだあなたが クスっと笑えてちょっと癒され、ほっこりした気持ちになれますように。


精神保健福祉士(PSW)とは?仕事内容や資格の取得方法、勤務先について解説

精神保健福祉士(PSW)とは?仕事内容や資格の取得方法、勤務先について解説

精神障害者の支援に特化した専門職である精神保健福祉士。メンタルの不調を抱える人が増えるなかで、ニーズが高まるといわれています。仕事内容や資格の取得方法、勤務先など、精神保健福祉士に関する基礎知識を解説します。【ささえるラボ編集部】


第106話 介護施設でのBCPってなに?/ほっこり介護マンガ

第106話 介護施設でのBCPってなに?/ほっこり介護マンガ

「介護職員・並木マイの ほっこり成長日記 ~転職して、介護の仕事はじめました~」 保険会社から介護の仕事に転職した、並木マイさん(31歳)の成長と 介護現場のあるあるを描く、ほっこり癒し系マンガ! 休憩時間、このマンガを読んだあなたが クスっと笑えてちょっと癒され、ほっこりした気持ちになれますように。


認知症の方がコロナに。介護施設でのBCP策定、感染症対策のポイントを解説

認知症の方がコロナに。介護施設でのBCP策定、感染症対策のポイントを解説

介護のお悩み:介護施設にコロナが蔓延し、認知症の利用者さんにも感染。他の利用者にも感染が拡大してしまいました。どうすればいいでしょうか? 介護施設でのBCP策定、感染症対策のポイントを専門家が解説します。【執筆者:羽吹 さゆり】


マイナビ福祉・介護のシゴト
「マイナビ福祉・介護のシゴト」は、福祉・介護職に特化した中途、パート向け求人サイトです。
介護職をはじめ、福祉・介護業界に関連する職種の求人を掲載しています。
本当に自分にあった施設や事業所を、ご自身で手軽に探すことができるよう職場の雰囲気がリアルに伝わる情報を用意することで、適切なマッチングを実現していきます。
【職種から求人・転職情報を探す】